提供:週刊実話

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 日韓の政治的対立が止まらないが、意外や文化交流の面では15年前の「ヨン様ブーム」以来の韓流ブームが到来している。観光庁の発表によれば、昨年、日本を訪れた韓国人観光客は、前年比5.6%増の752万6000人と過去最高を記録した。消費額も5842億円と“爆買い”の中国人に次ぐ額を日本で落としてくれている。

 同様に、韓国観光公社の発表によれば、昨年、韓国を訪れた日本人観光客も295万人に達した。これは前年比28%増である。こうした日韓交流の増加は、政治問題と関係なく、文化的関係が熱を帯びていることを意味している。

 「日本のテレビでの韓流ドラマもすっかり定着しています。例えばNHK総合チャンネルでは、夜11時から1時間『オクニョ 運命の女』(全51回)を放映しており、放送業界には『嫌韓』などないも同然です。逆にますます韓流ドラマの“爆買い”に拍車が掛かっています。2015年には1話当たり3万ドルが相場だったのですが、昨年から1話あたり20万ドルに高騰しています。『100日の郎君様』は1話あたり23万ドル、このほど韓国で放映終了したばかりの『ボーイフレンド』は、韓流ドラマ史上最高額の1話あたり30万ドルで契約が決まっています。同番組は全16話なので総額5億3000万円ですよ」(某キー局デレクター)

 13年6月に韓国で結成された男性7人組のヒップホップ・アイドルグループ『防弾少年団』(BTS)は、アジア人初のビルボード1位を獲得し、この2月10日にはグラミー賞のプレゼンターも務めた。韓国経済研究院は、デビュー以来の経済効果を4兆1400億ウォン(約4060億円)と発表している。

 「BTSは、昨年11月9日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に生出演する予定でしたが、メンバーの1人が過去に着ていたTシャツに、原爆投下後のキノコ雲の写真と韓国人の万歳写真が印刷されていたことが発覚し、急遽出演を取りやめ、後に事務所が謝罪しています。そんな騒ぎの中であったにもかかわらず、4都市9公演を行い計38万人を動員しています」(芸能記者)

 韓国側も日本売込みに必死だ。一時期は中国が最大の輸出市場だったが、16年にTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を巡って中国との関係が悪化してからは、日本が最大の輸出市場になっているからだ。韓国のエンタメ業界に『反日』はない。

 そういえば、NHKの大河ドラマ『真田丸』に加藤清正役で新井浩文(本名:朴慶培)が主演していたっけ。加藤清正は、朝鮮出兵を行った韓国人嫌いの豊臣秀吉に一番心酔していた猛将だ。今思えば、日本側も韓国に気配りしたのかもしれない。