井上(左)との対戦を熱望するテテ【写真:Getty Images】

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WBSS制覇を争う“11秒KO男”がエール「俺はナオヤに勝ってもらいたい」

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝(5月18日・グラスゴー)でIBF王者エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対決するWBA王者・井上尚弥(大橋)。一方、準決勝残りの一戦で、元5階級制覇王者のノニト・ドネアを迎え撃つWBO王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)がロドリゲス戦に臨む井上に「勝ってほしい」とエールを送っている。「The Monster」の異名で知られる日本のスターの勝利を熱望する理由とは――。

「ゾラニ・テテは最強を倒したい」と特集したのは、テテの母国・南アフリカの地元紙「Sowetan」だった。17年11月にWBO世界バンタム級1位のシボニソ・ゴニャ(南アフリカ)戦でタイトルマッチ史上最速の11秒KO勝ちを収め、ボクシング界に衝撃を与えたテテ。自身も4強に駒を進めているWBSS準決勝の井上―ロドリゲス戦について言及した。

「誤解しないでほしい。俺とロドリゲスとの間に問題があるわけじゃないんだ。だが、ファイナルで彼と会うために、ナオヤに勝ってもらいたい」

 記事によると、テテはこう語ったという。「フィリピンの閃光」の異名で知られる36歳の猛者ドネアとの準決勝で、自身が勝つことを前提にした上で、井上に対してファイターらしい“粋なエール”を送っている。それはモンスターの価値を認めるからこそだった。

テテが認める価値「イノウエに勝てば、史上最強ファイターに名前が並べる」

「ロドリゲスが勝てば、決勝で俺が彼を倒すことになる。それではナオヤ相手の勝利と比べると、そこまでの重みがないんだよ。イノウエに勝てば、バンタム級史上最強のファイターたちとともに自分の名前を並べることが間違いなくできるだろう」

 WBSSプロモーターのカレ・ザワーランド氏が「惑星最強のパンチャー」と認めている井上。米リング誌選定の17階級のボクサーの強さを格付けする「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」でも6位に選ばれるなど、大会前から優勝候補の最有力と呼ばれたモンスターを決勝の檜舞台で倒すことが、テテの野望だった。

 “11秒KO男”テテが熱望したモンスターとのバンタム級史上最高の頂上決戦は実現するのか――。5月のセミファイナルのゴングが今から待ち遠しい。(THE ANSWER編集部)