岐阜県は26日午前0時、昨年12月25日に関市の養豚場で発生した豚コレラ6例目について、同農場から半径3キロ未満の移動制限区域を解除した。11月の2例目発生から続いていた、豚コレラに伴う制限区域は全て解除した。しかし、県内や隣接する愛知県でウイルスを持った野生イノシシが今も見つかっており、引き続き警戒を続ける。

 移動制限区域の解除は、6例目となった養豚場での8083頭の殺処分、消毒など防疫措置の完了から28日後に異常がないことを確認したため。移動制限区域内には養豚場が2戸あった。

 豚コレラは昨年9月、国内で26年ぶりに発生が確認された。これまで豚・イノシシ飼養施設での発生は6例。養豚農家は2例にとどまるが、岐阜県畜産研究所や県農業大学校、岐阜市畜産センター公園といった公立の施設での発生が相次ぎ、管理・防疫体制が問われた。

 野生イノシシでの発生は1月25日現在、岐阜県で計105頭。飼養施設での移動制限はなくなったが、野生イノシシの課題は残したままで、行政は対策を継続する方針だ。

 岐阜県はウイルスを持った個体が広がらないように、県内4地域で重点的に捕獲・検査を行う。捕獲は1月24日までで611頭、死亡報告は76頭。野生イノシシの拡散防止では、ワイヤメッシュ柵や、山と里の間の草を刈り払う緩衝帯作りなども続けていく。併せて有識者会議を開き、効果的な取り組みを進めていく。対策の継続のため、来年度の予算措置も検討する。