取り沙汰される新天地候補は枚挙に暇がないほど。中島は間違いなく、夏の移籍市場の注目銘柄だ。(C)Getty Images

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 ポルティモネンセの日本代表MF、中島翔哉の周辺が一段と騒がしくなってきた。
 
 4月28日のポルトガル・リーグ32節、強豪スポルティング・リスボンとの一戦。4-3-3システムの左ウイングで先発出場した中島は、ゲームを通して精力的に仕掛けては攻撃の急先鋒となったが、チームは89分に痛恨の失点を献上し、1-2の惜敗を喫した。これでポルティモネンセは3連敗となり、中島自身も28節のモレイレンセ戦で1アシストをマークして以来、およそ1か月に渡って得点に絡めていない。
 
 そのスポルティング戦で、中島に熱視線を送ったのが欧州強豪クラブのスカウトたちだ。世界中のスカウト陣の動向をつぶさに追い、数多のメディアに情報を提供しているのが、サッカー専門ツイッターの『Scouts in Attendance』。その発信源によると、同カードで中島の視察に訪れたのは、アトレティコ・マドリー、ニューカッスル・ユナイテッド、サウサンプトン、エイバル、セビージャの各強化担当者だったという。

 
 吉田麻也を擁するサウサンプトンの名が出てきたのは驚きだが、その一方で同胞・乾貴士が籍を置くエイバルには、より現実味があるだろうか。今シーズンいっぱいでエイバルとの契約が満了となる乾は、すでに他クラブへの移籍を明言している。日本人選手の価値を高く評価しているエイバルが、同じく2列目で幅広く機能し、得点センスも兼備する中島に白羽の矢を立てた──としても、不思議ではないだろう。
 
 英国のサッカーサイト『Football Insider247』が追随したのが、ニューカッスルの本気度だ。「ニューカッスルが眩いばかりの輝きを放つ小兵アタッカーを獲得へ」と題し、以下のように報じた。
 
「いまや注目の日本人選手、ナカジマの周りには数多のクラブが列を作っている。この夏のマーケットで人気となるのは間違いなく、そこにマグパイズ(ニューカッスルの愛称)も加わったようだ。5フィート30インチ(約162センチ/実際は164センチ)のドリブラーは、昨年夏にFC東京からポルティモンネンセに加入。瞬く間にポルトガル・リーグを代表するアタッカーへと台頭し、注目を集め続けている。ニューカッスルはチェルシーから借り受けているケネディを買い取りたいが、見通しは芳しくない。失敗した際の次善候補として、ナカジマをリストアップしたのだ」
 
 もはや中島にまつわる移籍先の噂は、日々更新されていて枚挙に暇がない。ざっとまとめるとこんな顔ぶれが居並ぶ。
 
 FCポルト、ベンフィカ・リスボン、スポルティング、ボルシア・ドルトムント、ヴォルフスブルク、ガラタサライ、ベジクタシュ、アトレティコ・マドリー、エイバル、ニューカッスル、サウサンプトン、サンテティエンヌといった具合だ。

 
 ポルティモネンセとの現行契約は2020年6月まであり、クラブは2000万ユーロ(約26億円)の違約金を設定しているという。当初は高額な設定額と考えられていたが、ここまでの人気銘柄になると、あながち無茶な額面ではないのかもしれない。ロシア・ワールドカップでの活躍次第では、さらに吊り上がる可能性もある。
 
 もちろん、ポルティモネンセでのプレー続行の選択肢も消えてはいないが、ステップアップ移籍を果たすのがやはり既定路線。23歳の電撃ドリブラーの新天地はどこになるのか。俄然、注目度が高まっている。