日本代表の新指揮官に就任した西野氏【写真:Getty Images】

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西野新監督について「Jリーグで最も攻撃的なサッカーを見せたリーダー」と評価するも…

 日本サッカー協会(JFA)は9日、7日付でバヒド・ハリルホジッチ監督の解任を発表した一方、技術委員長を務めていた西野朗氏が後任の座に就くことが決まった。

 西野新監督の実績を評価しつつも、「神戸で解任、名古屋でBクラス。現場を離れて2年の空白。A代表チームを指揮した経験がない」と韓国紙「スポーツソウル」が手腕に疑問を呈している。

「2016年から技術委員長として日本代表に関与してきたので、選手たちの特徴とチームの事情もよく知っていることが抜擢理由」と記したのは、韓国紙「スポーツソウル」だ。事実ロシア・ワールドカップ(W杯)が2カ月後に迫っており、外部から指揮官を招聘してゼロからチーム作りを図る難しさを考えれば、協会内部での人事は自然な流れだろう。

「自分たちのスタイル(パスサッカー)にこだわって惨敗したブラジルW杯の反省を踏まえて、日本はカウンタースタイルの確立を目指してハリル監督を迎え入れた。しかし、今になって“服が合わない”と判断した」

 後任に指名された西野氏は、日本代表監督初就任。1996年アトランタ五輪代表を率い、初戦でブラジルに1-0と勝利する「マイアミの奇跡」を起こした。その後は柏レイソル(1998年〜2001年7月)、ガンバ大阪(2002年〜2011年)、ヴィッセル神戸(2012年5月〜同年11月)、名古屋グランパス(2014年から2015年)の監督を歴任。G大阪監督時代には攻撃的なサッカーを確立してJリーグ優勝、AFCチャンピオンズリーグ制覇を果たしている。

 だが、同紙は西野手腕に懐疑的なようだ。「かつてJリーグで最も攻撃的なサッカーを見せたリーダーとしての名声を馳せた人物である。しかし、それは今から6〜8年前の話だ」と記し、さらに次のように続けている。

五輪で“マイアミの奇跡”を起こすも…「中田英寿との間に存在した隙間を埋めきれず」

「2012年から指揮した神戸では、成績不振により6カ月で解任されたし、2014年から2年間指揮した名古屋では、資金力が豊富なチームを率いて優勝争いをするどころかBクラスにとどまった。現場を離れて2年間の空白がある。さらに西野監督はW杯の経験はもちろん、A代表チームを指揮した経験がないという点も懸念を生んでいる」

 柏時代も解任されるなど志半ばでチームを離れた西野氏だが、G大阪で黄金期を築いて以降は苦戦を強いられた。A代表を率いるのは自身初で、アトランタ五輪にしても問題はあったと同記事では指摘する。

「アトランタ五輪でブラジルに勝利したが、当時の主力であった中田英寿との間に存在した隙間を埋めきれず、ナイジェリアに0-2で敗れてグループリーグ敗退という物足りなさも味わった」と言及。サッカー王国ブラジルを撃破する”マイアミの奇跡“を起こしながらも、グループリーグ敗退に終わった事実に触れた。

 JFAが下した監督交代の判断について「なぜ」と疑問を投げかけていた韓国紙だが、西野新監督の手腕にも懐疑的な目を向けているようだ。(Football ZONE web編集部)