新年度がいよいよスタート。生活の変化に合わせて、貯金をがんばりたいと考えている人も増えているのではないでしょうか。

テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさんは、かつては自他ともに認める浪費家でした。さまざまな気づきやきっかけから、体質改善をすることができたと言います。

「収納や家事の段取りと同じように、お金の流れも整えられると気がつきました。そのためには普段無意識で行っていることを見直して、『本当におトク?』と疑いをもつことが大事です」

ちまたにあふれる「おトクの魅力」から、いかにして阪口さんは距離を置くようになったのか? ESSE編集部に詳しく語ってくれました。貯金体質になるために私がやめたムダ節約

以前は、じゃんじゃんとお金を使う、浪費の鬼だった私。でも、お金の使い方も「整える」ことができると気がついてから、意識が変わりました。
貯金体質になるために必要なのは、なんとなく続けている習慣をやめて、意識を変えること。やめた3つの習慣について紹介します。(1)「3足1000円」の靴下を買うのをやめた


必要なのは1足の靴下。でも、1足400円の靴下が3足1000円で売っている! おトクだから、とりあえずまとめて買っておこう…。
そんな経験はありませんか? 私も「3足1000円」が大好きでした。

2足欲しい靴下が見つかった日には、血眼で3足目を吟味! 売り場でもそういう人をよく見かけます。
でも、よく考えてみました。3足で1000円ですよ!って、一見おトクに感じるけど、たくさん買わせるようなカラクリでもありますよね。

私は「安いから」という理由で靴下を買うのをやめました。ものがよくて、お気に入りを1足だけ買っています。割引していないので、以前は高価に感じていましたが、「3足1000円」よりも丈夫で長もち。

気に入って買ったものだから、爪先が薄くなったり、小さな穴があいたりしたら、自分でつくろうこともあります。本当はいらないものを買うよりも満足度はずっと上がりました。(2)徳用サイズの調味料や基礎化粧品はやめる


絶対に使いきるんだから徳用にしよう! って、いつも大きなサイズを購入していました。しょっちゅう使うものだったら、確かに使いきることは難しくないです。

でも、賞味期限は必ずあるもの。ああ、来月までに使いきらなきゃ! みたいなことに、じつは振り回されていたと今では思います。
すでに、ほとんどの調味料は徳用サイズを買うのをやめました。徳用じゃなくてもそこそこもつし、古くならないうちに使いきれるのが私には合っているみたいです。

確かに少々割高にはなりますが、徳用サイズを買っていたときは「いっぱいあるから」「早く使いきらなきゃ」と豪快に使っていたようで、じつはかえってムダだった気もします。

同じように化粧水や乳液などの基礎化粧水も、割安なビッグサイズではなく、通常サイズに替えました。買い替え頻度に比例して、コスメカウンターに行く頻度も上がり、お肌の状態をまめに見てもらえるようになったので、以前よりも調子がいいかも。
割安でも使いきれなかったら意味がない。おトクの罠にはまるところでした。(3)コンビニのコーヒーは買わない


コンビニで、手軽にコーヒーとスイーツが手に入ります。「めっちゃ気軽でそこそこおいしいやん!」と、よく利用していました。なにより、カフェに行くより格安ですし。
でも、それは卒業することにしました。もちろん、コンビニのコーヒーやお菓子を否定するわけではありません。

気づいたのです。コーヒーや甘いものを「口に運ぶ」こと自体が目的ではなく、私は、その行為によって、くつろいだ気分を感じたり、リラックスしたりしたかったのだと。
つまり、好きな空間で、落ち着いて味わうことが同じくらい重要だったんです。以来、嗜好品は本当に行きたい店でしか買わないようになりました。もちろん、頻繁に行くのではなく、時間に余裕があるときの楽しみにしています。

自分の好きなことをガマンして、おトク気分に酔ったところで、本当の満足感は得られません。節約中でも、心を満たす嗜好品は大切な存在。緩めるところと締めるところのバランスをうまくとれば、貯金体質に生まれ変われると思うのです。

●教えてくれた人
【阪口ゆうこさん】
整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ』(日本文芸社刊)がある。月間200万PVのブログ「HOME by REFRESHERS」を更新中