中国でマイカーの所有率が高くなるにつれて、一部の消費者達の自動車に対する意識は成熟に向かい始めていると言える。中国では歴史問題や領土をめぐる対立を理由に、日系車に乗ることは愛国心に関わる行為であるという論調が存在するが、それに反論する意見も存在する。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国でマイカーの所有率が高くなるにつれて、一部の消費者達の自動車に対する意識は成熟に向かい始めていると言える。中国では歴史問題や領土をめぐる対立を理由に、日系車に乗ることは愛国心に関わる行為であるという論調が存在するが、それに反論する意見も存在する。

 中国メディアの今日頭条は11日、日系車のファンだからと言って、決して愛国心が薄いわけではないと主張し、消費と愛国心はそもそも無関係であり、良い車は良い車であり、逆に愛国心があっても中国車を敬遠する中国人がいるのは「相応の理由がある」と主張する記事を掲載した。

 記事は、中国人消費者がトヨタと聞けば「誰もがすぐに日系車を連想できる」ほど中国では高い知名度がある反面、「日系車を購入する人は愛国心がない」と非難を受けるなど、ネガティブなイメージもあるのは事実とした。しかし日系車は、「コストパフォーマンスが高く、低燃費で高品質ということで世界の自動車市場で売り上げを伸ばしている」と指摘した。

 さらに中国でネガティブなイメージがありながらも、人気を集める日系車の3つの車種を紹介している。それはいずれもトヨタのカムリ、レクサスEX、マークXだ。なかでも古くから販売されているカムリについては、最初に香港で人気を集め、それが中国南部の広州の消費者に影響を与え、中国南部では早い時期から日系車に対する偏った見方がなくなり、日系車は市場で高い地位を築いたとしている。

 また、中国のネットユーザー達の声として「仕事が忙しく、車の修理に時間も取れないので、信頼性の置ける日系車はニーズに合致している」、日系車の品質を評価したうえで「中国に対する愛国心がないのではなく、中国車の品質にがっかりさせられているのだ」といったコメントを紹介し、日系車のファンだからと言って、決して愛国心が薄いわけではなく、中国車を購入しないのも相応の理由があると論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)