国際Aマッチウィーク明けの10月16日に組まれている試合は、あろうことか宿敵インテルとのミラノ・ダービーである。そしてそこからの3週間はミッドウィークに組まれたELの2試合、セリエAの1試合を含め、中2日と中3日で7連戦というハードスケジュールが待っている。そのピークとなるのが10月28日のユベントス戦だ。
 
 今シーズンのチームの成り立ちを考えれば、この7試合の結果に一喜一憂するよりも、試合を重ねる中でチームとしての完成度がどのように高まっていくかの方に焦点を当てるべきだろう。しかし現状を見る限り、外部(マスコミやサポーター)はもちろん内部(クラブ首脳)にも、それだけの余裕と落ち着きを求めるのは難しそうだ。
 
 まずは、ダービーの内容、そして結果がこの状況にどのような変化をもたらすのかに注目しよう。
 
文:片野道郎
 
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。