米ワシントンD.C.で開かれた「第2回全米トコジラミ・サミット」に出展されたトコジラミ(2011年2月2日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】トコジラミはまるで人を恋い慕う恋人のように、人がいない時にも臭いを嗅ぎ付け、脱いだ後の服の中に入り込んでいることが、28日に発表された研究論文で明らかになった。

 小さくて、姿をなかなか見せず、飛ぶこともできないこの生き物が、なぜ世界中でこれほど急速に拡散しているのか、これで説明がつく。英オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された英シェフィールド大学(University of Sheffield)の研究者らによる論文によると、トコジラミはわれわれの汚れた洗濯物にただ乗りしているのだ。

 トコジラミは人間の血を吸った後に偶然、服やトランクに落ちて、ホテルから自宅までついてくるのだと想像されていた。

 今回、研究チームはトコジラミの好みを試験するためにいくつか変わった実験を行った。まずボランティア数人が無香のせっけんで体を洗い、清潔なTシャツと靴下を約6時間着用した。その後、そのTシャツと靴下を密封したプラスチック袋にしばらく入れた後、それぞれ綿のトートバッグに移し替えた。また清潔なTシャツと靴下がそれぞれ入ったトートバッグも用意した。

 これら計4つのトートバッグを部屋の中心から等距離に離して置き、人間の血液を吸ったばかりで飽和状態のトコジラミを放して観察した。4日後に虫の位置を確認すると、大半は汚れた衣服のトートバッグの上にいた。

 研究者らは「トコジラミが最近、世界中で急速な広がりを見せている原因は、空旅の低価格化にあることが示唆されている」と指摘している。「今回の結果が示しているのは、旅行中、着た後の服を寝る場所に放置することが、トコジラミの受動的分散にとって好都合となるということだ」

 昨年は研究によって、トコジラミが殺虫剤に対する遺伝的抵抗力を持つようになっており、地球上の拡散にさらに拍車をかけていることが示された。
【翻訳編集】AFPBB News