後半、UAEに与えたPKで、大島は倒した当事者になった。だが、ハリルホジッチは積極的に大島をかばおうとしなかった。PKに至る経緯を探れば、問題視すべき選手は他に多々存在したにもかかわらず。

 メディアの論調も似たようなモノだった。大島に対して否定的な報道に終始した。「経験不足」なる海外組のコメントまで引き出していた。

 つい最近になってのことだ。海外組に疑問の目が向けられるようになったのは。出場機会の激減が、白日の下に晒されてから。そして「本田、香川、長谷部よりいい選手はいるだろうか」のコメントをハリルホジッチから引き出すと、解任なる見出しまで立てるようになった。

 かつてアギーレが、シンガポールで行われたブラジル戦(2014年10月)に、本田らを先発から外し、テスト色の強いメンバーで戦った時、メディアはそのメンバー選考にこぞって異を唱えた。

 これがいかに妥当な選考か。いま振り返れば分かるはずだ。当時、アギーレの選択を批判したメディアには、現在のハリルホジッチを批判する資格はない。そう言いたくなる。

 いつのまにか砂上の楼閣になってしまったハリルジャパン。しかし、僕はそれが予想された、当然の帰結のように思えて仕方がないのである。