放置すると「うつ病」にも?睡眠トラブルがある人は要注意の“9月病”とは

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お盆休みにたっぷり休んだし、リフレッシュもできた! それなのになんだか気分が落ち込む、体がダルイ、食欲がない……これって、もしかして遅れてきた夏バテ?

9月は気温や気圧が不安定な上に、4月に次いで社内の人事異動など社会的にも変化の多い時期。実はいま、放置しておくとうつ病にも移行しやすいと言われている“9月病”になる人が増えているようです。

そこで予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、9月病とその対策についてご紹介します。

■そもそも9月病って?

一般的に9月病と言われていますが、正式な病名ではなく適応障害の1つと考えられています。その大きな要因とされているのが睡眠不足、もしくは睡眠の質の低下です。

今年は特に暑さが長く続いており、寝るときの温度管理に悩む人が多いのではないでしょうか。エアコンをつけっぱなしにすると風邪をひかないか心配だし、タイマーをセットすると暑さで夜中に目が覚めてしまう……そのように夏から試行錯誤をいままで続けていると、質のよい睡眠が十分に得られず、体の疲れが蓄積してしまっています。

しかも、十分な睡眠がとれない状態が続くと脳にも疲れが溜まってきます。そうして起こるのが、寝つきが悪い、眠りが浅い、眠ったつもりなのに寝足りない気がするといった睡眠障害。それこそが9月病の代表的な症状です。

■自律神経のバランスが崩れやすい9月

急激な気温や気圧の変化は、身体にとって大きなストレスです。そこに人事異動など社会的環境の変化が重なってしまう9月は、自律神経のバランスが崩れやすいと言えます。

自律神経は体温調節や胃腸の働き、睡眠や気持ちのコントロールにまで関わる重要な中枢神経。そんな自律神経がバランスを崩してしまうと、睡眠障害や頭痛、肩こり、めまい、食欲不振や過食、動悸や耳鳴りとさまざまな身体的症状をはじめ、イライラや気力、集中力の低下、気分の落ち込みや不安感といった精神的な症状まで現れてきます。

■9月病の対策法

まずは、最も重要である睡眠の確保から始めましょう。そして朝起きたらすぐにカーテンを開け、朝陽を浴びることも大事です。しかし、それだけでは不十分なので、いつもよりほんの少し遠回りをして出社することで、体内時計のリセットが出来ます。睡眠不足で日中の眠気を感じるようなら、座ったままで構わないので、昼食後15分ほど目を閉じて仮眠を取りましょう。

そして、食事では心を落ち着かせてくれるセロトニンの原料で、トリプトファンを多く含む肉や魚、卵などのタンパク質をしっかり摂りましょう。トリプトファンは、鉄やビタミンB群などの力を借りてセロトニンに。セロトニンは睡眠をつかさどるメラトニンに変化します。

また、“ヘルシーを心掛ける女性”の多くがタンパク質不足からの不調を訴えます。その中で多くの人が勘違いしているのが、ビタミンは野菜を摂れば大丈夫だと思っていることです。特にビタミンB群はレバーなどの動物性のものに多く含まれ、野菜で十分な量を摂取するのは難しいほどです。

そして、夏場に冷たいものを多く摂っていた人は、内臓冷えからの体力の低下も招いている場合があります。本来、内臓は腋下体温よりも高くなければ正常に機能しません。そこで体は内臓を温めるためにエネルギーを消費するのです。しかし、そうなると体を動かすためのエネルギーが不足するため、ダルさを感じることがあるので注意しましょう。

真夏の温活は熱中症のリスクを高めるので、ほどほどにしないといけませんが、この時期からはぜひ、温活にも力を入れて下さいね。

いかがでしたか? 忙しさのあまり、少々の症状は我慢してしまうのがアラサー以上の女性というもの。しかし、その我慢がその後のうつ病や大きな病気に発展しないよう、休む時はきっちり休むことを心掛けましょう。

【筆者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ allstars / shutterstock