25年前、欧州を支配していたのは彼だ。ミランを率いて1989年と1990年のチャンピオンズカップで連覇を果たしたアッリーゴ・サッキ氏である。だが今、彼はルイス・エンリケ監督が率いるバルセロナのパフォーマンスに脱帽した。

バルサは5日、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝ファーストレグで、バイエルン・ミュンヘンに3−0と快勝した。その圧倒的な主役となったのが、リオネル・メッシだ。サッキ氏は試合後、次のように語った。

「メッシは難しい時期を乗り越え、素晴らしい調子を取り戻したね。彼はほかにはいない、完成された選手だ。圧倒的なフィニッシャーであり、だが同時にチームを助けるべく、中盤に戻ることもできる。彼をマークするのは不可能だ。彼を囲むには、チームのシステムすべてが完璧に機能しなければいけない。我々は、真のサッカーの天才を見ているんだ。(ディエゴ・)マラドーナのような真の天才をね。今は誰も彼には追いつけない」

カウンターからネイマールが決めた3点目は、セカンドレグに向けてバイエルンにとって大きく響いただろう。

「欧州のビッグクラブというのは、守備より攻撃に優れていることも多い。彼らの性質であり、彼らのサッカーの解釈の仕方なんだ。(ペップ・)グアルディオラ監督も同じだよ。彼はプレッシングで相手を抑えられることが多い。だが、欧州の舞台では、イタリアでは考えられないような守備のミスがまだ見られる。こういうチームたちを苦しめるには、攻撃する必要があるということだ」

バイエルンが逆転するには、本拠地アリアンツ・アレナでのセカンドレグで奇跡が必要となる。

「グアルディオラ監督は何かを生み出さなければいけないだろう。今夜はメッシだけではなく、バルセロナ全体のチームパフォーマンスが素晴らしかったからね」

「ペップのことは気の毒に思うよ。彼はとても素晴らしい指揮官であり、この試合をすごく大切に思っていたはずだ。だが、彼もまた分かっていたはずだよ。ハンディキャップを抱えてスタートし、とても好調なチームと対戦しなければいけないということをね」

「昨年のように、バイエルンはあまりに早くリーグ戦を制した状態でこの大事な試合を迎えることになった。おそらくは、精神的にある種のリラックスを感じた状態で試合に臨むことになったんだ」