月並みな「だから言ったじゃないか」という言葉に逃げ込むのは、あまり安易というものだ。だが、試合が終われば誰もが言うものなのだ。「(リオネル・)メッシを止めることはできない」。

バイエルン・ミュンヘンのペップ・グアルディオラ監督は、5日の会見でこの言葉を発したとき、真剣にそう思っていたはずだ。だがおそらく、「彼のメッシ」がこれほどすぐに夢を打ち砕いてくるとは思っていなかったのではないだろうか。

メッシは6日のチャンピオンズリーグ(CL)準決勝ファーストレグで、歴史に残る見事な2ゴールを決め、さらにネイマールにアシストを記録。77分間耐えたバイエルンを、3−0と突き落とした。バイエルンはベルリンでの決勝へ進む望みを奪われた形だ。

アリエン・ロッベンもフランク・リベリも、ダビド・アラバもいないなか、グアルディオラ監督は敗れた。このまま敗退となれば、2年連続の準決勝敗退だ。

グアルディオラ監督は当初3バックを選び、30分苦しんでからシステムを変えた。そして試合をコントロールしたかと思われたときに、メッシがやってきたのだ。試合後、グアルディオラ監督はこのように述べている。

「試合前にメッシを止めることはできないと私が言っていたこと? そのとおりだよ。我々はできるだけ彼をプレーに絡ませないようにしなければいけなかった」

だが、それはできなかった。グアルディオラ監督は次のように続けている。

「バルサの才能ある選手たちが違いをつくった。もちろん、我々は悲しく思っている。だが、セカンドレグでトライするよ。もちろん、1、2点差なら挽回できるが、3点差となれば難しい。3−0が正しい結果だったかどうかは分からない。先制されるまで、我々は試合をとてもうまくコントロールしていたんだ。だが、選手たちをとがめることはできない。チームは今季、いろいろな難しい状況を乗り越えてきたんだ」

マヌエル・ノイアーもメッシの前では脱帽だ。

「どうやって先制点を決められたのか、分からない。もちろん、メッシやその周りにボールを与えたら、代償を払わされることになるけどね」

キャプテンのフィリップ・ラームは、次のように悔しさを表した。

「カウンターで3回やられてしまった。なんて悔しいんだ」