巨人を率いる原辰徳監督 ©BASEBALLKING

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 開幕から1ヵ月、4月22日現在で首位・ヤクルトと0.5ゲーム差の2位につけている巨人。開幕直後は様々な問題が噴出しながらも、気がつけば上位につけ、貯金も4つ。さすがの3連覇チャンピオンといった強さ、戦いぶりを見せている。

 開幕カードこそDeNAに勝ち越しも、3月31日から4月3日まで4連敗。4月4日から4月7日までは3連勝を収めるも、4月8日から4月10日にかけて再び3連敗と、どうも波に乗り切れなかった出だし。

 これまでに巨人を襲ったアクシデントを数えてみると、先発陣では内海哲也の開幕絶望に始まり、新外国人コンビのポレダとマイコラスの乱調、さらには大竹寛が背信投球で登録抹消とトラブル続き。リリーフ陣も勝利の方程式を担う山口鉄也やマシソンといった当たりに開幕早々に黒星がつく展開で始まる苦しいスタートだった。

 打線も昨年のように軒並み低調で、今年の目玉であった阿部の一塁完全コンバートは相川亮二の負傷によりご破産に。さらにはその阿部も負傷で戦線を離れ、苦しむ打線を引っ張っていた亀井善行も同じく負傷離脱。しまいには原辰徳監督がインフルエンザを患い離脱するなど、まさに“想定外”の事態の連続。

 それでも、軌道修正したチームは11日に連敗をストップすると、そこから22日までの9試合を8勝1敗という驚異的なペースで勝ち進み、あっという間の2位浮上。ツバメの尻尾にも手をかけ、今にもそこから引きずり降ろそうという勢いを見せている。

 そんな巨人の強さを支えているのが、離脱者が出る度に現れる救世主的な存在。特に若い力が二軍から上がってきては見事に穴を埋める活躍を見せている。

 例えば先発陣では、ドラフト3位ルーキーの高木勇人が開幕3連勝で災難続きだった先発陣を救えば、2年目・19歳の田口麗斗もプロ初登板初勝利を挙げるなど、若手がピンチに奮起。そのままローテーションの座を手中に収めつつある。

 リリーフ陣でも、新人離れした度胸が売りのドラフト2位左腕・戸根千明や、守護神“1年生”ながら11試合で2勝1敗6セーブ、防御率1.29と安定した働きを見せる沢村拓一といった新顔が定着。苦しい台所事情を支えている。

 野手陣はさらに深刻な状態にありながらも、片岡治大や井端弘和金城龍彦といった近年獲得した選手たちがここに来てチームを支える働きを見せ、若手では昨年ブレイクしながらも今年は開幕で出遅れた橋本到や中井大介が奮闘。そこに長野久義やアンダーソンといった主力が戻ってきたことで、勢いは更に加速した。

 V9以来のリーグ4連覇と日本一奪回へ向け、エンジンがかかってきた原巨人。苦しい状況にも日替わりのヒーローが登場し、貯金を作れてしまう巨人はやはり今年も強い。

【主な離脱者】

※不振で抹消された選手も含む

● 投手

内海哲也(左前腕部の炎症)

大竹寛(4月1日の登板で3回途中4失点と炎上)

西村健太朗(先発調整もマシソンの開幕二軍で中継ぎ→マシソン復帰で降格、再び先発調整へ)

● 捕手

相川亮二(右太もも裏の肉離れ)

● 内野手

阿部慎之助(左太もも裏の肉離れ)

● 外野手

亀井善行(右ふくらはぎの違和感)

フレデリク・セペダ(不振)

大田泰示(左太もも裏の肉離れ)