父と娘の許されざる関係を描いて、2008年に直木賞を受賞した、桜庭一樹の『私の男』が映画化。6月14日から公開される。生々しい愛憎や性、殺人などの描写は、小説や漫画なら大胆に描けても、実写になったとき、薄味なこともある。が、この映画は、濃度を保っている。主人公の花役の二階堂ふみと、花と愛情を交わす淳悟役の浅野忠信が色っぽい。ドロリと熱っぽい空気感を撮った監督は、『海炭市叙景』『夏の終り』などの熊切