「目には目を、歯には歯を」――1901年に発見されたハンムラビ法典の有名な言葉は、しばしば「やられたら、やり返せ」という意味で誤用されるが、正しくは過剰な報復を禁じ、あらかじめ犯罪に対する刑罰の限界を定めておくことにあり、決して“復讐”を認めるものではない。とは言え「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ」「汝の敵を愛しなさい」と説くキリストの教えを実行するには、現実世界はあまりにも上手く行かないこと