気鋭の時代・歴史小説家、武川佑さんが最新作『円かなる大地』で描いているのはなんと「アイヌ」。著者にとっても初挑戦となる題材を、書評家はどう読み解くのか?今回は大矢博子さんによる書評を公開します。武川佑『円かなる大地』時は戦国、北の大地。謎多きアイヌの壮年・シラウキが人喰いクマの襲撃から助けた少女はなんと、蠣崎氏当主の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが和人とアイヌの戦の引き金となってし