小説『僕は失くした恋しか歌えない』と歌集『銀河一族』が、11月末に同時刊行された歌人・作家の小佐野彈(おさの・だん)さん。性的指向に悩み、葛藤し続けていた自身をモデルに描いた青春小説と、政商一族に生まれた自身のルーツを歌った歌集。二つの作品の関係を「小説は歌集の、ものすごく長い詞書(ことばがき)としてあるような気もしています」と小佐野さんは話す。小説のあいだに詠まれる歌が、情景を際立たせる――。そん