2015年9月、金融庁の森信親長官は「金融行政方針」を公表し、「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成」を最重要テーマに掲げた。これは、金融庁史上初めての方向転換であった。共同通信社の経済記者・橋本卓典氏が丹念な取材を元に執筆し、ベストセラーとなった新書『捨てられる銀行』(講談社刊)は、森長官の掲げた「企業・経済の持続的成長」にフォーカスした一冊で、大反響を呼んだ。その第2弾として4月に出版された『