ローポリ脱力アニメが劇場版に。劇場版 gdgd妖精sっていう映画はどうかな…?」が現在上映中。でもグダグダなあのテンションを映画にしても大丈夫なのか!?

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劇場版gdgd妖精s(ぐだぐだふぇありーず)っていう映画はどうかな・・・?
この映画の情報が発表されたとき、ファン総ツッコミでした。
アニメの大作映画多い中、よりによってそれかよ!

でもね、劇場でやる意味のある作品でした。
決して超大作じゃない。
だからこそできるテーマって、あるんだね。
ネタバレを避けつつ紹介します。

●予習は必須
全く知らない状態で行くのはデンジャーすぎます。
最低限、
・どれでもいいので一話くらい見ておく。
・プレスコ(先に声を録音して、後から動きを付ける)と知っておく。
というのだけは押さえておきましょう。
じゃないと「初見ですが帰ります」状態になります。特殊映画すぎるから仕方ない。
一話は公式動画がありますので、これだけ見ればOKです。

gdgd妖精s(ぐだぐだふぇありーず) 《第1期》 ♯1 - YouTube
gdgd妖精s(ぐだぐだふぇありーず) 《第2期》 ♯1 - YouTube

今まで「gdgd妖精s」という作品に触れてきた人には、最高のファン映画です。
登場したオールスター(か?)が出てきます。
房子も出てきます。物理演算おっさんも出てきます。あのネタもこのネタも出てきます。

何よりもローポリゴンモデルのキャラクターがスクリーンに映っているってことに価値があります。
上にリンク貼った動画がそのままスクリーンに映りますからね。すげえ頭でかいよ。
シルちゃんとか、手をあげたら髪の毛のポリゴンに食い込んでます。

映画だからといって、モデリングをパワーアップさせることはしていません。
頭身が高い、きれいなピクちゃん達も、本編にはほとんど出ません。
あえて「いつもどおり」にこだわっています。

なぜあえてモデリングを強化しなかったのか。
だらだらおしゃべりして、アドリブで遊ぶだけのCGアニメを映画にして、面白いのか。

●「変わらないこと」
ほんとグッダグダな映画なのは事実。
映画本編の序盤は、いつものトーク、メンタルとタイムのルーム、アフレ湖という、そのまんまの展開です。
やっぱこれを映画でやるのかー、なんて思ってました。

違いました。
彼女たちのしょうもないギャグは「日常」。その日常が大きく崩れます。

「gdgd妖精s」は、バカな出来事を繰り返す、アドリブ重視の日常アニメ。
メイン3人+サブ3人+房子たちの、閉じた世界でした。

ローポリのままなのは、それが「日常」だからです。
当たり前。くだらない。グダグダだ。
そう思っていた日常が崩れるのって、ちょっと怖い。
前半のどうでもいい「グダグダ」パートが、あとあと重要になってきます。

見終わった後、「くっだらねえなあ」とテレビやニコニコで「gdgd妖精s」を見ていた日々が、いいものだったのをじんわり感じます。
見ている時は、全くそんなこと考えもしないのにね。

●シリーズ最多のアドリブ量、ってほんと?
チラシが大仰で、どこまでネタなのかわからない。
結論だけ言うと、全部本当だよ。

で、「シリーズ史上最多のアドリブ量!」と書いています。大事だよねそこ。映画でアドリブって。
うまい差し込み方でアドリブを入れています。特にピクちゃんがひどいです(無論褒めてる)。もっとアドリブあってもいいな!って思うくらいでした。

今回は「Peeping Life」の森りょういちが脚本。ねちっこくて力の抜ける会話のテイストが盛り込まれているのは、gdgdとしては新鮮。
パロディネタも相変わらずあります。30代向けのネタが多いのも、いつものgdgdです。
全く演じずにびっくりドッキリ「gdgd妖精s」2期 菅原そうた監督に聞く1 - エキレビ!

ゲストとして、でんぱ組.incが参加しています。
こちらはファンも、知らない人も、自然に楽しめる参加の仕方(特にキャラデザインがうまい)。
メイン3人(の声優)が先輩的で、ちょっと微笑ましいです。

「いつもどおりでよかった」「またgdgdを見られてよかった」。そういう劇場版です。
ED後、最後の最後で交わされるアドリブ会話がちょっとグッと来る。
どうでもいい、くだらないものこそ、終わる瞬間は寂しいのがよくわかる。
Twitterで映画の感想を探していた時見つけた「実家にいるような安心感」という言葉が実に的確。

1300円なのでちょっと安いよー。
10月10日に上映終了するところが多いので、急ぎましょう。
イチオシの見どころは、ピクちゃんの滑り芸です。

(たまごまご)