毎週日曜に放送しているシリーズ5作目の「遊☆戯☆王 ARC-V」(アークファイブ)。9月17日にDVDの1巻と2巻が同時発売される。序盤のおさらいもでき、物語が進み始めている今は、追いかけるにはちょうどいいタイミングだ!

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毎週日曜夕方5時半から放送している「遊☆戯☆王 ARC-V」(テレビ東京系)。、幅広い世代(主に男子)から支持されている「遊☆戯☆王」シリーズの5作目だ。現在22話まで放送されていて、9月17日にはDVDの1巻と2巻が同時発売される。
1年ものの番組は、あとから追いかけるのがなかなか難しい。ただし低年齢層に向けられた番組は、比較的途中から見たり、一週二週見逃したりしてもついていけるようなつくりになっている。今から「入って」も遅くはないのだ。

始めに舞台設定について説明しよう。今回の舞台は「舞網(まいあみ)市」。これまでの4作とはまた違った街で、デュエルの扱いや流行りも少し違う。
この街で人気を博しているのは「アクション・デュエル」。立体映像(立体幻影/ソリッド・ビジョン)が普及して、エンターテイメント性やショー要素の強いデュエルが親しまれている。舞網市でアクション・デュエルを流行らせたのは榊遊勝というデュエリスト。しかし彼は、ある日公式戦に現れず、それ以後姿を消してしまった。

主人公は遊勝の息子。中学2年生の少年・榊遊矢(CV.小野賢章)だ。遊矢は父のような「他人を楽しませるデュエリスト」──エンターテインメント・デュエリストを目指しているのだが……。
と、言葉をつい濁してしまうのは理由がある。遊矢は、ちょっと性格が後ろ向きなキャラクターなのだ。「ピンチの時ほど笑え」という父の教えを実行しようとはしているものの、追い詰められたり、大切なものを賭けた場面だと、どうしても顔が曇りがちになる。
遊矢が得意とする戦術は、今作の新しい召喚システム「ペンデュラム召喚」だ。第1話、遊矢のピンチに応えるようにして書き変わったカードを中心にしたもの。当初、ペンデュラム召喚ができるのは遊矢だけだった。
しかし、物語が進むにつれて、遊矢以外も使えるように。それによって「ペンデュラム召喚は俺だけのものじゃない」と凹んでしまう場面もあり、そんなところでも顔が曇っている。
でも、ある意味等身大の中学生らしい。時には後ろ向きになる遊矢が、仲間の声に勇気を取り戻し、ピンチを乗り越えるところが、「ARC-V」の気持ちよさだ。小野の演技も、遊矢に対してマイナスな印象を抱かせない。

「遊☆戯☆王」シリーズといえば、魅力的な仲間とライバルの存在も欠かせない。今回も、いわゆるヒロインポジションの柊柚子や、一応味方でありながら謎めいた存在の紫雲院素良などが並ぶが、やはり気になるのはライバルの赤馬零児(CV.細谷佳正)だろう。
零児は16歳で「レオ・コーポレーション」と「レオ・デュエル・スクール(LDS)」の社長を務める超天才で、デュエルの腕も一流。さまざまな戦術を使いこなし、なんと遊矢のペンデュラム召喚も使ってみせる。
零児は、遊矢と直接出会う前から暗躍し、何やら目的を持って動いているらしい。「社長」という設定といい、「馬」がつく名前といい、初代「遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ」の海馬瀬人を連想する。が、海馬よりかはもっとクールで、まだまだ読めないキャラクター。遊矢の父・遊勝について「尊敬している」と語るなど、複雑な一面や過去もありそうだ(期待)。

また、零児とは違う形で暗躍しているのが「謎の男」。黒衣に身を包んで、舞網市ではあまり知られていない「エクシーズ召喚」を行う。マスクの下の顔は──遊矢にそっくり! 最近の展開では「異世界の住人」であること、名前は「ユート」だということが示されている。
ユートは、なんらかの目的でLDSの関係者にデュエルを挑み、打ち負かした相手をカードに封印している(この「カードに封印」というところも、これまでのシリーズのオマージュ感がある)。ヒロインの柚子を守るようにも動いていて、柚子はユートに翻弄されている。遊矢にとっては、デュエルのライバルというよりも、恋のライバルというほうが正しいかもしれない……?

さて、現在の遊矢は、「ジュニアユース選手権」へ出場する資格を得るためにデュエリストを倒している(その裏で、零児やユートの動向も描かれている)。だいたい1人につきデュエルは2話で完結するので、ちょうど視聴を始めやすいタイミングだ。
DVDは4話ずつ収録されているので、序盤のおさらいにはぴったり。ちなみに映像特典はメインキャストによる座談会だ。また、連動購入特典として、スペシャルトークショーの応募券も封入されている。この応募券を、3,4巻に付いている応募ハガキに貼ることで応募できる。応募者多数の場合は抽選になる。
スペシャルトークショーに出演するのは、遊矢役の小野賢章と、零児役の細谷佳正。本編ではデュエルをしただけで、まだほとんど会話らしい会話のない2人。彼らはどんなことを話すのか、お互いのことをどう思っているのか、その辺りが大変気になります。
(青柳美帆子)