宇宙エスプレッソマシンISSpresso、11月に国際宇宙ステーションISSへ

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イタリアのコーヒーメーカーLavazza(ラバッツァ)が、国際宇宙ステーション(ISS)用のエスプレッソマシンISSpressoを発表しました。宇宙食開発などを手がける航空宇宙企業Argotecと協力し、微小重力環境下で動作するエスプレッソマシンとして開発中の製品。宇宙で本格的なエスプレッソを供給できる初めてのシステムとしています。現在はArgotecのラボで機能性と安全性のチェックを行なっています。エスプレッソは、蒸気圧に押し出された熱湯がコーヒー豆の粉末を通過して抽出するコーヒー。エスプレッソマシンにはこの工程を行う機構が必要です。ISSpressoは、抽出方法としてはカプセル式を採用します。Lavazzaによれば、エスプレッソのほかカフェルンゴ(いわゆるレギュラーコーヒー)やお茶など、その他の飲料にも利用可能。宇宙ステーションでエスプレッソを抽出するには高い安全性や信頼性が必要で、機器の様々な部分をイタリア宇宙機関 (ISA) の定めた仕様に沿って設計しています。エスプレッソマシンの内部に水を供給するチューブは400バールの圧力に耐えられる特殊鋼管を使用するほか、バックアップ用パーツの重量は20kgに及ぶとされています。 開発が順調に進めば、ISSpressoは2014年11月に国際宇宙ステーションへ届けられる予定。プレスリリースでは、イタリア人の女性宇宙飛行士Samantha Cristoforetti氏は、初めて宇宙へ行くイタリア人女性というだけでなく、軌道上で本格的なイタリアンエスプレッソを飲む史上初の宇宙飛行士になるだろうと述べています。宇宙飛行士にとって、食事の時間はリフレッシュのための大切な時間と位置付けられています。近年では特別食として宇宙飛行士によるISSへの食料の持ち込みが許可されるようになりました。リフレッシュを通じた気分や体調の管理は任務にも重要とはいえ、エスプレッソマシンのような嗜好品を宇宙に持ち込む余裕が出てきたという風に捉えると、宇宙での生活が妙に身近に感じられるような気がしてきます。