ちょっと危ない極道の業界用語―『「3日締め」が「みかじめ」に』

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一般の人にはうかがい知れない完全な別世界が「極道」すなわち「ヤクザの世界」です。映画やテレビなどで見ることはあってもその実態はほとんどの人は知る由もありません。そこで極道の世界でよく使われる「業界用語」の中で面白いものをいくつか紹介しましょう。

■アンパンはヤバい?

「アンパンはヤバい」といえば「シンナーは危険」という意味です。「ヤバい」はもともと「香具師(やし)」と呼ばれる縁日の露天商が使っていた言葉ですが、今ではすっかり一般的になっています。シンナーをなぜ「アンパン」と呼ぶのかははっきりしませんが、今では学生が「アンパン」というとあるコンビニ店を指すのだそうです。

店名の英語のスペルをローマ字読みした隠語ですね。

■「3日締め」が「みかじめ」に

極道用語で有名なのが「みかじめ料」ですね。暴力団が「用心棒代」として飲食店や風俗店から毎月一定額のお金を徴収するというシステムを指しますが、「暴力団の資金源を絶つ」という警察のキャンペーンで、現在では少なくなってきているようです。

語源は「毎月3日締め」(ミッカジメ→ミカジメ)から転じたというのが定説で、支払いが遅れたら3日以内に収めることが原則だったことから、という説もあります。

■ヤクザは合計して20?

「ヤクザ・暴力団・極道」といってもその違いは明確化されていません。江戸時代に定職につかず博打で生活している者のことを花札賭博の「八・九・三」の出目にひっかけたという説が有力です。「八・九・三」を合計すると二十となり、花札では勝負にならない数字であることから「役に立たないモノ」を「八・九・三(ヤクザ)」と呼ぶようになり、世間のアウトローたちに当てはめてできた隠語のようです。

今では縮めて「ヤーさん」などと言うこともあります。

■「寄せ場」と「シャバ」

「寄せ場」とは江戸時代から続く古い隠語で「刑務所」のことです。江戸時代に「鬼平犯科帳」で有名な「火付け盗賊改方長官・長谷川平蔵」が創設した施設を「人足寄せ場」と呼んでいたことが由来とされています。ヤクザ仲間が刑務所に収監されると「あいつもとうとう寄せ場に落ちたなあ」という言い方をします。

ちなみに、刑務所の外の世界を「シャバ」と呼び、これはもともと仏教用語の「娑婆=世俗の世界」に当たりますが、昔は吉原などの遊女が使っていた隠語だそうです。