来春、臨時コーチとしてジャイアンツに戻ってくる松井秀喜。未来の監督候補筆頭なのは間違いない

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世間ではFA移籍や、楽天・田中将大のメジャー移籍に関心が集まっているものの、水面下では「ポスト○○監督」をめぐる動きが激しい今オフのプロ野球界。実際に交代するのは中日と西武だけだが、実は巨人と阪神にも目玉となる次の監督候補が控えている。

スポーツ紙記者が明かす。

「筆頭が、巨人の松井秀喜(39歳)。渡邉恒雄球団会長も公言しているとおり、ポスト原辰徳監督(55歳)は松井で確定的です。来季オフにヘッドか打撃コーチに就任させ、原監督の下で英才教育を施(ほどこ)し、最短で2017年に監督就任というのが青写真。巨人としては今オフにでも入閣させたかったのですが、松井が固辞したといわれていますね」(スポーツ紙記者A)

今年3月に第1子が生まれたばかりの松井氏。しばらくは家庭重視というわけだ。

「来年2月の春季キャンプでは臨時コーチを務めることが発表されましたが、現場で何をするわけでもない。若手選手たちと接点を持たせ、“その日”のための下地づくりをしたいというわけです。巨人とすれば、リーグ連覇しても親会社の読売新聞社から『もう原監督では話題性に乏(とぼ)しい。集客力も頭打ちだ』という声が聞こえてくるような状況ですから」(スポーツ紙記者B)

第2次原政権も来季で9年目。勝ってもマンネリと言われ、負ければ叩かれる。原監督もかわいそうな役回りだ。

「いずれにしても、原以降の10年間の監督は松井、高橋由伸(38歳)、阿部慎之助(34歳)の3人で決まり。これで江川卓(58歳)、桑田真澄す(45歳)は監督どころか、コーチの目もほぼ消えたと言っていいです。ルーキー監督にコーチ未経験者をつけるはずがありませんからね」(前出・記者A)

一方、ライバル球団・阪神の監督候補は“最後のビッグネーム”といわれるOBの掛布雅之氏(58歳)。秋季キャンプでは、GM付育成&打撃コーディネーター(デベロッピング・コーディネーター/DC)として25年ぶりにタテジマのユニフォームに袖を通している。

「実は、来オフの『掛布監督』誕生はほぼ内定状態なんです。あの役職は、和田豊監督(51歳)と距離を取るための球団の策略。ヘッドや打撃コーチなどで一軍に帯同し、もし来季の成績が悪ければ、一緒に責任を取らされる立場になってしまう。DCは責任問題に巻き込まれず、それでいて一軍も二軍も、野手も投手も、すべてを見られる権限がある。今後1年間はまさに“準備期間”ですよ」

近年、事業の失敗などで裁判沙汰になり、球界から離れていた掛布氏。しかし、それにメドが立った途端に週刊誌で連載を持ったり、今年のクライマックスシリーズでも阪神戦のテレビ中継の解説をしたり、「いよいよ“根回し”が始まったな」と見る関係者も多い。

松井氏、掛布氏ともに監督としての力は未知数だが、ベンチにいるその姿だけで、ファンならたまらないはずだ。

(写真/益田佑一)

■週刊プレイボーイ47号「12球団の『次期監督』もう全部見えちゃった!?」より