大ヒット漫画家が死んだ。今手元にアイデアノートがあり、凄腕のアシスタントもいる。ならばこの漫画、誰にも言わずこっそり続けられるんじゃないのか? いつバレるかわからない壊れた漫画家サスペンス『ミリオンジョー』他、『グラゼニ』、『GIANT KILLING』、『シドニアの騎士』、『君に届け』など今週発売。

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今週は異色の漫画家サスペンス『ミリオンジョー』2巻が発売されます。

主人公は、超大ヒットマンガを描いている漫画家の編集者。どのぐらい大ヒットかというとワンピースくらいだとイメージしてください。
この編集ボンクラで、特に何をするでもなくだらしなーく日々仕事しています。なんせ漫画家が超天才で、人と決して合わない変人なので、仕方ない部分は確かに。
ところがある日、苦しんでいる連絡をもらっていながら、いつものことだろうと放置、職場に行ったところ、その作者は死んでいました。
これはやばい。すぐに通報すればよかったのですが、彼の頭におかしな思考回路がよぎり、死体を埋めて事実を隠蔽、アシスタントチーフと一緒に「この作者に成り代わろう」という作戦を立てます。

一応、最終回までの恐ろしいまでの設定ノートが残されているのですが、にしたってめちゃくちゃすぎる!そんなことできるわけがない……お金が目当てなのか?
この主人公の壊れたところは、自分の行動が善だと思って疑わないことです。それがどんなに犯罪であろうとも。
作品を偽造して、最終回まで続けるのは自分の使命だ!と勝手に思い込んで行動に出る辺り、心理的には熱血漢なんですが、いやそれどう考えてもいつかばれるでしょ、というか犯罪でしょう?
でもやっちゃう。
いつバレるか、何をしでかすかわからない心が不安定になる作品。
彼が最終回までウソを付いて作品を送り出すのが正しいのか? 
それとも彼は逮捕され制裁を受けるべきか?
そもそも彼は、影武者として天才のマンガを描き続けられるのか。
この価値観の揺さぶりが、面白いんだ。常時冷や汗かく作品です。

その他今週発売のコミックス。
『グラゼニ』12、『SUN×GIRL』3、『隣人を妹せよ!』1、『腐女子っス!』6巻、『妖狐×僕SS』10、『ラティーノ』2、『GIANT KILLING』29、『シドニアの騎士』11、『大カラスヤサトシの大発明大王』、『ひまわりさん』4、『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』1、『するめいか』5、『君に届け』20、『アシガール』3、『ラララ』1、『アイドルマスター2 The world is all one !!』4、『チェリーブロッサム!』3、『わかば*ガール』など。

(たまごまご)