はっきり言おう、このイメージイラストは詐欺だ。いや詐欺じゃないんだけど詐欺だ。『ミス・モノクローム』は4分で驚愕のずんどこに落とされる、説明不可能アニメ。ちなみにあっちもこっちも堀江由衣ですが、それすらどうでもよくなるくらい酷い(大いに褒めてます)。

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アニメ『ミス・モノクローム』が酷い。
もちろん褒め言葉なんですが、えーと、文字通り酷い。
たった4分のアニメなのに、その4分で受ける衝撃と言ったらないです。

あらすじ。
アンドロイドのミス・モノクロームは、お城でスーパーアイドルKIKUKOの活躍を見て感動します。
自分もアンドロイドアイドル。ここは一発奮起して活動に本腰を入れよう。
相棒で、ロボット掃除機のかたちの家族のルーちゃんと共に、アイドルの道を歩みはじめます。

なんて、こんな↑あらすじね、読まなくていいよ。
いや、間違ったことは書いてないです、これは事実です。
でもなんつーか、そういう次元じゃないんですよ。
たった4分で何もかもが毎回ひっくり返るので、状況をきちんとまとめることに意味がないアニメなんです。

正直、ここで「第一話はこんなに酷かった!」「第二話はさらにこんなに酷かった!」と言いたい。
言いたいけど、それは言えない。もう「見て!」としか言えない。
ニコニコで無料で見られるので、見てくださいよ。
「なんだそれ……」で4分終わります。
全然ハートあったまらない。突っ込みいない。コメント欄でつぶやこうにも、打ち込む言葉が思いつかない。
ここまで設定とか、ストーリー性とか、キャラ配置とかどうでもいいアニメ、珍しい。
……それを作っちゃう人達が、ぼくは大好きなんだなあ。


一応解説的なものを入れておきます。
「ミス・モノクローム」というキャラクターは、声優の堀江由衣が考案し、ライブで登場させている3D映像のアンドロイドです。
堀江由衣・キャラクター原案の「ミス・モノクローム」、TVアニメ化が決定 | マイナビニュース
イメージカラーはモノクロ。彼女の寸劇が、ライブで度々行われ、それが人気を博して一部で話題のキャラになりました。
その後、ミス・モノクロームはキャラクターグッズも販売され、ソシャゲ『ガールフレンド(仮)』にも登場。ここで大きく有名になります。
単三電池一本で動きます。便利ね。

そしてついにアニメ化。監督は『ハヤテのごとく!!』『ゼロの使い魔』などの監督・岩崎良明。
声優はもちろん堀江由衣。つかEDも堀江由衣、メインキャラ実質一人なので4分堀江由衣劇場です。

ここから、ちゃんと説明ができるネタをいくつか。
ミス・モノクロームが憧れるアイドル、KIKUKO。公式の解説を見ると、永遠の17歳と書かれています。
これは声優ファンならお馴染み、声優井上喜久子のキャッチフレーズ。名前もまんまですし。
ルーちゃんは「ロボット掃除機のかたちをしたミス・モノクロームの大切な家族」と書かれていますが、どう見てもロボット掃除機そのまんまです。
うん、突っ込める。このへんは突っ込めるんだ。

だが、本編本当に突っ込めません。突っ込みようのない展開が4分に凝縮されています。
キャラはもちろんナレーションも突っ込まない。ニコニコのコメントと親和性抜群ですが、初見だと視聴者ですら突っ込めません。
冷静に考えると悲惨な話なんですが、ゲラゲラ笑えます。

同じような4分アニメに『てーきゅう』や『あいまいみー』がありますが、『てーきゅう』は「ツッコム時間を与えない」、『あいまいみー』は「価値観が根っこからずれている」。『ミス・モノクローム』はテンポは普通のアニメですが「予想外過ぎて突っ込んでいいかわからない」。

こんなくだらない(褒め言葉です)ものを全力で作るスタッフ、いいですね。
そういうの大好きです。
次回もまた奈落の底に落としてください。
(たまごまご)