猫っていつから人間と暮らしているの? その歴史を探ってみた

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身近なペットとして親しまれている猫は、一体いつから人間のそばにいて、なぜ人間に飼われるようになったのでしょうか。今回はその謎に迫ってみましょう。

■猫の起源

ペットとして飼われているイエネコの起源は、古代エジプトの頃からと考えられています。もともとネズミを捕獲させるための目的で飼われ始め、ヤマ猫が家畜化して愛玩用のペットとなったという説が有力です。人によくなつく性格が好まれたのでしょう。

原種とされているイエネコの祖先は「リビアヤマ猫」。約13万1,000年前の中東の砂漠などに生息していたと考えられています。更にさかのぼると約6,000万年前の中型肉食獣「ミアキス」が猫の祖先に当たります。

■イヌよりも飼われた時期は遅い

イヌは猟犬や番犬として必要とされたため、かなり早くから人に飼われるようになっていました。一方で猫はネズミによる被害がでるまで需要がなかったので、飼われる時期が遅れました。ネズミの被害と言えば、穀物を狙った食害。つまり主食が穀物になる時代まで、猫が人に飼われることはなかったのです。

猫は穀物に興味を持たず、それらを荒らす害虫や害獣のみを捕食したため、倉庫の番人として活躍することになります。同時に紙が記録媒体として利用されるようになると、これらを食害から守る役割も担いました。

■日本の猫の起源は

猫が日本に最初に渡来したのは、8世紀頃の奈良時代。中国から仏教の経典を守るため船に同乗したといわれています。

人間にとって害を及ぼす動物を捕食して繁殖するのですから、非常に飼いやすい動物であったことが想像できます。その役割から外で放し飼いされるのが一般的で、野良猫として全国に広がっていきました。