「2013年上半期ヒット商品ベスト30」発表 - 1位は「アベノミクス消費」

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月刊情報誌『日経トレンディ』が選ぶ「2013年上半期ヒット商品ベスト30」が3日、都内で発表され、第1位に「アベノミクス消費」が選ばれた。

アベノミクスという”魔法の言葉”が注目された今年の上半期。かつてのバブル景気のような消費行動は見られなかったものの、まずは富裕層を中心に高額な宝飾品や時計、クルマなどの売れ行きに変化が見えはじめ、プレミア感のあるアルコール飲料や1,000円以上する目薬など身近な商品でもアベノミクス効果が現れた。その背景となったのは、「出費するからには絶対に損はしたくない、確実に満足したい」という”堅実リッチ”。21位に入った「富士山」は世界文化遺産に内定したことで人気に拍車がかかり、18位「歌舞伎座」のように待望感のある商品やサービスがランクインしたのも、こうした心理が作用した。

また、消費者の気持ちが高揚したことで、「元気よく行こう!」と呼びかけるヒットも目立った。28位の「あまちゃん」はその典型で、4位にランクインした林修氏の決めゼリフ「今でしょ!」は、行動を喚起するメッセージ性があることから、企業がこぞってCMに起用するほどのブームとなった。一方、「次元の違う」大型商品が数多く投入されたのも特徴で、27位の花王「ヘルシアコーヒー」は発売と同時に店頭で大量陳列を行い、19位の村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」も史上最速で100万部発行を実現した。

そのほか、従来にはなかった機能や販売スタイルなどが支持された「お手軽革命」の商品も目立った。5位「フィリップス ノンフライヤー」は油を一切使わずに揚げ物ができる海外発の家電で、7位「コンビニコーヒー」は、今まで消費者の頭にはなかった「いれたてのコーヒーをコンビニで買う」のを当たり前のことに変えた。22位「<ブレンディ>スティック ティーハート」は、直前に搾ったかのようなみずみずしさに驚かされる粉末紅茶。

同誌は1987年の創刊以来、毎年12月号誌上で「年間ヒット商品ベスト30」を発表しているが、今回はアベノミクスによって消費者心理が様変わりし、大ブレイク商品が続々と登場したことを踏まえて、上半期のランキングを発表。従来の3つの評価基準「売れ行き」「新規性」「影響力」に加え、下半期の動向を占う「ヒット持続力」を加味し、独自にランク付けを行っている。