野球の試合において、盗塁とはホームランと違い、派手な爽快感こそないものの、緊張感をあたえるスパイスのような魅力がある。

先月行われたWBC二次ラウンドの日本vs台湾戦で、日本がリードを許した9回2死という絶体絶命の状態から、井端の同点打を呼び込んだ鳥谷の盗塁シーンなどは、野球に詳しくない方でも、息の詰まるような緊張感を味わえたはずだ。

盗塁は脚力+テクニックだと言われる。足が速いだけでなく、タッチをかいくぐる敏捷性、そして投手の癖を見抜く鋭い観察眼が必要だとされる。

日本で一番たくさん盗塁をしたのは、福本豊外野手(元阪急ブレーブス)で、1065個もの盗塁を記録している。2位は広瀬叔功外野手(元南海ホークス)の596個だから、倍近い数字である。

しかし、盗塁は打率と同様、数だけではなく、成功率も重要だ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで何でもかんでも走るような走者は、チームにとってもありがたくない。

そんな折、今春発刊された『プロ野球なんでもランキング 「記録」と「数字」で野球を読み解く』(広尾晃著/イーストプレス社)によると、通算100盗塁以上の選手で、盗塁率が一番高かったのは、イチロー外野手(元オリックス・ブレーブス、現ニューヨーク・ヤンキース)だと伝えている。

イチローは199盗塁して33盗塁死で、成功率はなんと.858。10回盗塁を狙えば、8回以上は成功していることになる。イチローと言えば、日米に名を残す安打製造機だが、実は足のスペシャリストとしてもトップクラスなのだ。

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『プロ野球なんでもランキング 「記録」と「数字」で野球を読み解く』