モテてはいるものの、実は各駅停車。彼女らの悩みは根深かった。

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“恋多き女性”という、たまらなく魔性を感じさせるフレーズ。昔だったら大竹しのぶ、今だったら蒼井優辺りが挙げられるだろうか。
しかし深く考えると、複雑。だって、それって結局は「一つ一つの恋愛が長く続いてない」という意味にもなるわけで……。
このような女性のことを、今じゃ“各停女子”と呼ぶらしい。「結婚」を終点と考えると、そこまでの道中が各駅停車。「一体、いつ辿り着けるのか?」と不安になる程の鈍行な進みっぷり。いや、恋愛自体は途切れないので刹那では楽しいんでしょうけど……。

そんなタイプの女性たち3名にお集まりいただき、忌憚ない意見を拝聴する機会に恵まれました!
ちなみに今回の参加メンバーを招集したのは、「各停女子」なるワードを考案した寺井広樹氏。今までコネタで何度も取材した「離婚式」のプランナーさんである。恋愛に関する様々な悩みに答えているうちに、「各停女子」なる言葉が頭に浮かんだそうだ。

では、今回の座談会メンバーのプロフィールをご紹介します。
●あつこさん(32歳・ノマド)
いつもナチュラルメイクで、それどころかノーメイクの日も多い。ベジタリアンでスローフード好き。人懐っこくて甘え上手。飽きっぽくて何事も続かない。
●香織さん(24歳・大学院生)
メガネをかけてて服装も地味だが、常に男が途切れない。天然系の癒し系。隙があるように見えるところがモテの要因か。「自分磨きにあまり興味がない」とのこと。(磨かなくても男が寄って来るので、現在の自分に満足しているのかも)
●志保さん(28歳・女性誌の編集者兼ライター)
アラフォーの彼氏と交際中。小悪魔系で男をメロメロにするタイプ。彼氏が途切れない、超ウルトラ各停女子。恋愛期間は最長で1年。(1年→3ヶ月→1年→3ヶ月と、短い恋愛を繰り返してきた)

さて女性3名のパーソナリティ、踏まえていただけましたでしょうか? では早速、“各停女子”座談会をここに再現したいと思います!

――“各停女子”には「恋愛が途切れない」という特徴があるんですが、皆さんもやはり空白期間は短いんですか?
志保 ああ、3ヶ月開くと駄目ですね。だからズルして、いつも最初と最後が被ってるんですけど(笑)。
香織 私は今は半年くらい相手がいないんです。それまでは“各停女子”らしく色んな男性と付き合っていたんですけど、現在は“メンテナンス期間”ということで……。
志保 “メンテナンス期間”って辛くない? 私の場合、半年経ったら死にそうだった。
香織 でも、心が疲れないから風邪引かなくなってきた(笑)。穏やかになりますよ。
――じゃあ恋愛が始まったら、それはそれで交際はどのくらい続くんですかね?
あつこ いちばん長くて10ヶ月です。飽きっぽいんでしょうね……。
香織 それは、自分からフっちゃうの?
あつこ フリはしないんだけど、飽きてるっていうのが向こうにも伝わっちゃう。「なんで付き合ってるのかわからない」って、今までに3回言われたことがある(笑)。
志保 私の場合、半年付き合って、別れて、1ヶ月他の誰かと付き合って、またヨリが戻って……みたいなのを繰り返して。それを考えると、その人とは3年くらい続いてたのかも。
香織 私は初めて付き合った彼とは3年続いた。でも、いざ駄目になると「私って本当はどんな人が合うんだろう?」って思い始めて、色んな人との恋愛を重ねていって。
“各停女子”は、至極ドライだ。

【“各停女子”の恋愛への本気度】
――ところで皆さん、恋愛にどのくらいのエネルギーを注いでます?
あつこ 恋人ができると、結構時間を割いちゃいますね。もう、寝不足になったりします。あと、とりあえず土日は空けておいて(笑)。
香織 その方が誘われやすいとは聞いたことがあるんですよ。男性からも誘われやすいというか。
志保 私は彼氏ができたら、女の子と遊ばないですよ! 遊んだとしてもそれは暇つぶしでしかないし、好きな人ができたら相手の家の近所に引越したりもよくするし。
あつこ 色んな街を歩く度に思い出しそう(笑)。
志保 下北とか阿佐ヶ谷とか、行きたくない場所いっぱいあります!
恋愛に対してかなりのハイ・ヴォルテージっぷりだが、結局は長く続かない。「熱しやすく、冷めやすい」を地で行っているじゃないですか!

【“各停女子”の結婚観】
――ところで皆さん、やっぱり結婚願望ってあるんですか?
あつこ 結婚したいんですけど、今の彼氏とはできないですね。経済的にも駄目だし、性格も全然合わないし。35歳までには結婚したいんですけど……。
志保 私もしたいし、恋愛したらいつもそう思います! 「この人と結婚したらどうなるだろう?」って、スグに想像するし(笑)。でも、こんな浮気ばっかしてたらできるわけがない……。
――冷静になってないんですかね?
志保 結婚っていうものを、ちゃんと分かっていないんでしょうね。「結婚式っていいなぁ」とか「一緒にずっと住めるんでしょ?」、「楽しいんでしょ?」って勝手に思ってて。
――前向きですね(笑)。香織さんは、どうですか?
香織 私も願望は人並みにありますね。誠実だったり、責任感ありそうな人と家庭を築けていけたらと思います。でも、結婚に関しては「お見合いでもいいかな?」と思う時さえある。
一同 えーっ!?
香織 これだけ男の人を見てきて、結局分かんなくなっちゃったから。冷静に見極めてくれる周囲の意見を聞きながら判断しようかなと思うくらい、よく分かんなくなっちゃってますね……。
傍から見ると「男には困らない」と思わせられる、3人の“各停女子”たち。しかし望んで止まないはずの「結婚」へは、なかなか到達することができない。まさに、“恋の各駅停車”ではないか。

ところで寺井氏、新たに「特急女子」なる言葉も考案したという。こちらは「結婚に対する判断基準がしっかりしているので『結婚する』と決めたらトントン拍子に進み、先輩を追い越してちゃっかりゴールインするタイプ」のことを指す模様。
「どのタイプの列車が幸せかというのは、一概に言えません。自分にとってどんな生き方が幸せかを考えるきっかけにしていただけたら嬉しいです」(寺井氏)

なるほど。それにしても世間には、いろんな列車が走ってるんだな……。
(寺西ジャジューカ)