時が経つことで、新たな発見が。
先日、本棚の整理をしている際に、小学校1年、3年の学年文集と卒業文集を見つけた。約30年前の作文というのは、久しぶりに見てみると、今のように先生や親の「検閲」も入っていないらしく、数々の赤裸々な姿が書かれていて、「発見」の連続だった。

実は昔の小学生の実態を知る資料って、誰の家にも掘り出せばけっこうあるんじゃないだろうか。
ここに、「発見」の一部をご紹介したい。

○「お父さん」がたくさん活躍している
「お父さんがゆきおろしをして」「とうさんとスケートセンターへ」「おとうさんがつくってくれたたこは、よくとんで」「おとうさんとどうぶつえんにいって」「おとうさんのくるまで○○へ」など、冒頭のほうで「お父さん」が出てくる作文が多数! ちなみに、小学生の我が子のクラスではかつて「おかあさんとおとうさん」という順序で書く子が圧倒的に多いと担任の先生が言っていた。母が強くなっているということなのか。

○友達同士の紹介が容赦ない
卒業文集の「友達を紹介しよう」コーナーを読むと、スパイスの効いた内容が多くてビックリ。
友達の紹介なのに、「アイスがとても好きで、金さえあればアイスをいっぱいかって食べている」「けっしてクラスの中の人気者ではありませんでした」「すきな所は、頭にきらめく一直線のはげ」「2重人格で、きゅうにまじめになったりする」「暗いと思ってた」など、今だったら書き直しさせられそうな内容多数。でも、どれもこれも秀逸! これが先生や親の指導が入ってしまうと、「明るい」「優しい」などの画一的なコメントばかりになってつまらないんだよな……としみじみ感じる。

○長野ではかつてスキーがかなり盛んだった
30年以上前の1年生の作文では、クラス42名のうち「スキー」のことを書いていたのは6名。他に、スケートやそり遊び、雪合戦、かまくらづくり、ミニスキーなども多く、ウインタースポーツのことを書いていたのは全体で18名。
ミニスキーというのは30〜40センチ程度のプラスチック状の板で、当時、長野にいた私の周りの子はほとんど全員持っていた。
ちなみに、「長野=スキー」のイメージを持つ人は今も多いが、長野でも今は雪がずいぶん少なくなっているし、ウインタースポーツ人口も減っている。かつては家の庭でかまくらや雪のすべり台が作れたなんて話すと、みんな驚くほどだ。

○おとなしキャラの子の作文が面白い!
「ひま」について考えている子や、ひたすら自分の好きな食べ物に対する情熱を綴っている子、自分の性格についてネガティブに考え込んでいる子、何を言っているかわからないアニメの話などを延々と語っている子など……。
クラスの中心にいたタイプの子の作文は、当時みんなに注目されたけど、大人になって読んでみると、名前も顔もあまり覚えていないようなおとなしく控えめだった子の作文のほうに「こんなこと考えてたのか!」とドキッとしたり、クスッと笑ってしまうことが多い。

子どもの頃には知らなかったこと・気づかなかったことがギッシリ詰まっている昔の文集。自宅に眠っている人は、ぜひのぞいてみては?
(田幸和歌子)