まだまだ寒い日が続きます。御用心ください。
東京都では昨年12月20日に「都内でインフルエンザ流行開始」が発表された。
急な発熱等で病院などにかかり、インフルエンザの検査をしたという人も少なくないかもしれない。

ところで、今は鼻の中に長い綿棒を入れ、粘液をとるインフルエンザの簡易検査が主流になっているが、この方法って案外、「痛い」「辛い」「気持ちが悪い」とう声が多いもの。

なぜ検査は「鼻」からなのか。むしろ採血のほうがラクだと思う人もいそうだけど……。
検査薬キットのメーカー担当者に聞いた。

「鼻に綿棒を入れる検査が辛いとか痛いという声は確かによく聞きます。これは鼻だけでなく、のどからとることもできるんですが、鼻に比べて“感度”がどうしても低くなるんですよ」
小児などの場合、嫌がる子が多いため、細い綿棒を使用したり、のどから粘液をとる医療施設もあるそう。

また、鼻水をラップなどにかんで検査するという方法も耳にしたことがあるけれど、これって有効? だとしたら、ずっと簡単で良いけれど……。
「鼻水で検査することもできますが、やはり感度は低くなります」
検査は簡易検査であり、「結果をすぐに見せる」ことが目的。陽性となった場合には、感染しているが、陰性だった場合でも、「絶対に感染していない」とは言い切れないため、できるだけ感度の高い方法、つまり鼻の粘液を綿棒でとるという方法が、一般的なのだそうだ。

とはいえ、鼻からが苦手な人は、のどからとってもらうこともできるもの?
「鼻から、のどからなどは、検査キットを作るメーカーがどう申請したかによります。『どこからとるか』を医師の判断でやることは良いですが、保険支払いの関係などで変更が認められるかどうかはわかりません」

ところで、時間は当然かかるだろうけれど、採血などで調べることはできないのだろうか。
「確かに血液検査の場合、時間もかかりますが、それ以前に、ウイルスは出る場所が決まっていて、鼻やのどの粘液に量がたくさん出るので、調べやすいんです。もし、血液で調べるとすると、遺伝子検査ではわかるかと思いますが、一般的な血液検査で血液にたくさんの量が出る状態だと、もう手遅れでしょう」

ちなみに、検査の痛みは、医師や看護師の腕の良し悪しにもよるのだろうか。
「それはあると思います。やはりたくさん検査し慣れている人のほうが痛みは少ないでしょう」
「鼻からの検査」と考えると、内科より耳鼻科のほうが慣れているから良いのかも?
「確かに耳鼻科医のほうが上手いかもしれません。ただし、症状としては、発熱や体の痛みなどがありますよね。そうしたときにかかるのは、内科のほうが一般的なのではないでしょうか」
周囲に感染者がいるなど、疑いが高い場合はインフルエンザをピンポイントに調べられるが、確かにそれもそうか……。

辛い検査を受けないで済むためにも、怠りなく感染予防をしたいものだ。
(田幸和歌子)