温泉旅行で、お腹が大きくなった姿を友達に“公開”。「こんなにハラが出るんだ〜」と、珍しいものを見るような目でまじまじと(絵:石塚さん)

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あちこちで「おめでとうございます」という新年の挨拶が飛び交っている今日この頃。「おめでとう」といえば、その「めでたさ」の最高峰に当たる出産であろう。今年はそろそろ赤ちゃんを…と新年に誓った人も多いかもしれない。でも、実際に妊娠するとどうなるのだろうか?初めて出産した時の様子を「妊娠さらし絵日記・ちっさいおっさんと私の10ヵ月」(飛鳥新社)として発売した石塚ワカメさん(イラスト付きのブログが人気のwebデザイナー)にお話を伺った。果たして、人見知り、毒舌、インドアな石塚さんの妊娠ライフとは???

――まず、妊娠が発覚した時の感想を教えてください。さぞかし嬉しかったのではないかと。
石塚さん「正直にいうと『本当に子どもができるんだ〜』『困ったなぁ〜。どうしよう』と思いましたね。妊娠が発覚したのは、結婚して1年ぐらい経った頃だったんですけど(※当時、石塚さんは33歳、旦那さんは37歳)、とまどいがあったのと同時に、自分が妊娠したという実感がなかったです」

――旦那さんのリアクションは??
「私と同じように『できたんだ〜』っていう感じで(笑)。二人ともボンヤリしてました」

さすがに、まわりの友達は泣いて喜んでくれたそうだ。それでも、石塚さんにとっては「どれほどめでたいことなのか、ピンとこなかった」とのこと。最初はそんな日々が続いたという。

●イメージと違っていた「つわり」

妊娠といえば、まずは「つわり」というイメージだが、石塚さん自身が想像していたようなつわりとは違っていたそうだ。
「テレビのドラマでよく見るような、吐いて吐いて吐きまくるという感じを想像していたのですが、実際は、吐くことはありませんでした。ただ、ひたすら眠くて、横になったらすぐに寝てしまう。あとは、なんとなく気持ち悪くて、飲んでもないのに二日酔いの状態が続いていた感じですね」

●恐怖!家じゅうのものがにおう!

ニオイにも敏感になったという。
「妊娠が発覚して1ヶ月くらいすると、とにかくにおいに敏感になりました。今まで気にしなかったにおいが、急にイヤになるんです。シャンプーのにおいですら気持ち悪くなって、家にあるものの中で、におうものは夫に袋に入れてもらって、ベランダに出しておきました。人によっては、お味噌汁のにおいもダメっていう人もいるみたいです」

変わったことといえば他にも…

●毛に変化が!

「お腹を守るために、お腹のまわりの毛が濃くなりました。そのかわり、他の部分の毛が薄くなったんです。人によっても多少は違うんでしょうけど、私の場合はマユ毛と頭の毛の部分が薄くなりました。ホルモンバランスが変わるからだそうですけど、出産すると元に戻っていきましたね。お腹のまわりの毛も抜けていきましたし、髪の方は新たに生えてきましたし。生命の神秘ですね」

帝王切開だったため、出産時のアノ痛さは経験しなかったという。そのかわり、お腹の赤ちゃんがあまり大きくならなかったため、その不安は大きかったそうだ。出産時の赤ちゃんの体重は2160グラム。少し小さめだったものの、現在はスクスクと成長している。これから出産を控えている方のために、石塚さんにアドバイスをお聞きした。

●妊娠が発覚する前にやっておきたいこと

「妊娠した時に、どこの病院に行くかをあらかじめ決めておくことが大事ですね。私の経験上、先生が神経質すぎるとあまりよくないです。データに頼りがちな先生がいらっしゃいますが、私の場合は最初に看ていただいたのが、おじいちゃんの先生で、『神経質にならなくても、人間はちゃんと育つんだから、大丈夫』と言ってくれるような人でした。お腹の中の赤ちゃんの様子は、私達にとっては分からないだけに、安心させてくれる先生が良いです」
ちなみに、途中で転院する妊婦さんも意外と多いそうで、先生や病院の環境と合わないと思ったら転院すればいいとのこと。

●これだけは言いたい!マタニティーマークに気づいて!

石塚さんが妊娠して痛切に感じたのが、マタニティーマークを付けた妊婦さんへの周囲の配慮が足りないということだった。そもそも、マークをつけていても、それ自体に気づいてもらえず、明らかにお腹の大きな妊婦さんでないと、辛くても電車で席を譲ってもらえないという。
「若い世代の人の中には、マタニティーマーク自体を知らない人もいるとは思いますが、妊婦さんってもっと目立った方がいいのかなと思うほど、譲ってもらえませんでした(泣)」
マタニティーマークをつけた方を見かけたら、積極的に席を譲ろうではないか。

●自分の子どもを愛せるかどうかという不安

実は、石塚さんは子どもが苦手で、それがゆえに抱えていた不安があったという。
「子どもが生まれてくるまでは、自分の子どもを愛せるかどうかさえ想像できませんでした。自分に子育てができるだろうかという不安もあって…。ところが、子どもが生まれてからは、自分の子どもが可愛くて仕方がなくて(喜)。不思議なことに、息子への愛情がどんどんあふれ出てきたんです!」

その言葉を聞いて、他人事なのにホッとした。現在は、ほどほどに息抜きをしながら、石塚さん流の子育てに励んでいるそうだ。

「お酒が大好きなので、妊娠する前は、夜な夜なはしご酒をしていました。今はママ友とお昼に飲んでます(笑)」
――お昼に(笑)
「全てをガマンしないといけないと思うから大変なのであって、やり方を変えて楽しめばいいんです。妊娠前に比べると制限されるけど、全くやれなくなるわけではありませんから」

お話を伺っている間、石塚さんは何度も「産めばなんとかなります!」と力説していた。色々な不安な中で出産を経験したものの、子どもが生まれると可愛くてしょうがないというのが、石塚さんの全ての心境を表している。出産に関して不安なことがあるという方は、石塚さんの著書、ブログでどうぞ。

ちなみに
「夏の妊婦はキツイです。妊婦さんは暑さに弱く、私も、お腹が大きくなってきたのが夏だったので、ものすごく汗をかいたし、ずっと夏バテしてました」
とのこと。家族計画の参考にぜひ。(やきそばかおる)


ワカメ絵日記

「妊娠さらし絵日記・ちっさいおっさんと私の10ヵ月」(飛鳥新社)