『パリの子ども部屋デコ・アイデアブック』(ジュウ・ドゥ・ポゥム 著/主婦の友社 刊/1800円(税別))

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ヨーロッパのアーティストたちのステキな暮らしやインテリアなどを紹介した本を数多く手がけているジュウ・ドゥ・ポゥムから、新刊『パリの子ども部屋デコ・アイデアブック』(主婦の友社)が発売された。

本書は11月に発刊した『北欧の子ども部屋デコ・アイデアブック』に続く「デコ・アイデアブック」シリーズ4作目で、これまでに訪れたアーティストたちの家のアーカイヴから、テーマに沿った写真をセレクト&アレンジして紹介したもの。壁面、ファッション&テキスタイル、カラー、おもちゃ、本などのテーマ別に様々な小物や部屋が紹介されていて、子ども部屋とはいえ、大人にとっても十分部屋づくりの参考になること間違いなしのビジュアルブックだ。さっそく本書について、編集担当の田島香子さんにいろいろお話をうかがった。

まず、日本との違いを感じた部分はどんなところでしたか?

「大きく目立つところでは、壁の色ですね。壁紙ではなく、自分でペイントしてしまう人たちも多いんです。ペンキだったら、好きな色に調合できるし、マットな質感にもできるし、気分に応じて塗り替えもしてしまう。壁は面積も大きいだけに、影響力も大きくて、色使いがとても自由な感じがします」

たしかにあまり日本では見かけない、ピンクや淡いパープルなどの壁がとてもきれいで可愛い! ちなみに、北欧とパリでも違いを感じたところはありますか?

「北欧では、白い壁面と、さっと白くペイントした床というお部屋が多かったように思います。冬が長く日照時間が短いという背景もあって、家の中にできるだけ太陽の光を呼びこもうとしているんですよね。そして北欧でダイナミックなデザインのテキスタイル・プリントが生まれ、インテリアで上手に使われているところにも、家の中を明るく楽しく演出しようという思いが感じられます。そういう地理や社会的な部分からも、インテリアやデザインに影響がでてくるのは、おもしろいなと思いました」

なるほど。『北欧の子ども部屋デコ・アイデアブック』と比べてみるのもおもしろそうだ。

ところで、本書の表紙にはキティちゃんのランプを飾った部屋の写真が使われている。キティちゃんが世界中で有名なのは既によく知られているけれど、なんとなく新鮮な感じも。

実際、キティちゃんや、他の日本のキャラクターはインテリアの中に多く見られたのでしょうか?

「キティちゃんは、やっぱり人気ですね。みんなを笑顔にしてしまう。すごいと思います! この本は7年前に出版した『ようこそパリの子ども部屋』で訪れた子ども部屋の写真も使用していて、当時の写真の中からはポケモンや鉄腕アトムをコレクションしているおうちも見られます。また、キャラクターではないですが、紙ふうせんをインテリアに取り入れているお部屋も多かったですね」

紙ふうせんが取り入れられているとはユニーク。逆に日本ではあまり思いつかない発想かもしれない。「本書でいろいろなお部屋があるのを見て、私はこれが好きだな、これやってみようかな、意外とこういうのもいいわね、などなど、考えをめぐらすきっかけになったらいいなと思ってます」と、田島さんも話してくれたけれど、ディスプレイの方法ひとつとっても、意外な発見があったりと、眺めているだけでも楽しい一冊。新年、模様替えを考えている人は、インスピレーションを得るのにもおすすめ!
(田辺 香)