沖縄のシーサーも今ではメジャーな置物。

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今や一大イベントになっているコミケことコミックマーケット。
コミケというと漫画同人誌の代名詞みたいですが最近は、文芸というか文章の同人誌も数多くあるそう。最近、熱いのがスピリチュアル研究分野だと聞いたので、そこはどうなのかを詳しい人に聞いてみた。伺ったのはコミケ歴20年というベテラン同人誌発行者さん。この方は、折口信夫の研究本を出しているそう。

――最近はスピものが増えているんですか?
「いや、そんなことはないですね。カルト批判、妖怪、ブース20〜30程度。マンガでもオウム事件がなかった20年前なら、宗教ものチャネリングももっとたくさんありました。マンガでいえば昔のほうが多かったと思います」

――巫女ブームとかじゃないんですか?
「巫女ならば、昔の『うる星やつら』にだって巫女キャラがいましたからね。いまさら増えたというわけではないです。そのあたりのタブーがなくなったというか、たとえば『聖闘士星矢』とかマンガの話自体が精神世界をベースにしたものが増えた。ダイレクトに宗教を舞台にしたものは昔の話で、今は、主人公のセリフにメッセージ性があったり精神世界に通じたものが増えていますね。そういった意味では全体的にスピものは増えているとも言えます」

たしかにご当地人気特撮ドラマの「琉神マブヤー」なにかをみても、沖縄の聖地ニライカナイからやってきた魂の戦士がマブイグミという落ちた魂を戻すとされる儀式によって変化するという設定だったりしました。すでにそういったことをふつうに話してもいい世の中になった現れなのかもしれません。

――とすると、また宗教ブームのようなものが再び来るということでしょうか?
「コミケの世界でもスピの表現が変わってきて、組織化されていない形が増えてきました。宗教や団体のような組織の形を取らなくてもいいもので、精神世界のあり方に拘束力が少ないと感じます。表面的なスピリチュアルを謳ってもそれで人を集めてどうにかすることがない。終身雇用制終わりとともに、組織化されていないものが支持され、組織に入りたくない人が増えたせいなのでしょう。コミケにスピものが増えたとしても、アセンションも終わりましたし、そういった大きなブームはもう来ないでしょうね」

確かに1999年も2012年も世界が終わる説がありましたけど、この先はそういった大きな預言もなさそうなので、スピリチュアルブームもいったん落ち着いている状況のようですね。
(カシハラ@姐御)