増田さんおすすめのアメダス(藤原のアメダス)「群馬県みなかみ町にあり、関東で一番雪深いアメダス。過去の積雪記録は301cm!真冬は、かんじきなどを履いていかないと、観測器までたどり着けません。気象庁の方がメンテナンスをする姿も」

写真拡大 (全4枚)

それにしても寒い。正月休みは、お金はなくても、国内ぐらいだったら、どこか暖かいところに行ってノンビリできないものかと思うもの。そこで、2013年の年始めのお天気の傾向を、気象予報士の佐藤大介さん(TBS「ひるおび」内のニュース等に出演中)と、増田雅昭さん(「Nスタ(日曜)」やTBSラジオ等に出演中)にお話を伺った。

――毎年、お正月になると、より一層寒くなる気がするのですが、お正月は全国的に寒いのですか?
佐藤さん「年末年始は寒波がやってくることが多くて、典型的な冬型の気圧配置になるため、太平洋側は晴れますが、日本海側は雪が多くなります。関東地方が晴れるわりに気温が上がらないのは、日本海側で雪を降らせて水分がなくなった空気が、山から吹きおりてくるからなのです。ちなみに、九州の方に行くと気温が高いという印象がありますが、冬は寒気が西日本にも下りてくることが頻繁にあるため、東日本よりも西日本の気温の方が低いことがよくあります。九州の山でも雪はかなり降りますし」

――沖縄地方はいかがですか?
佐藤さん「沖縄は本州よりは気温は高いですが、そのかわり、どんよりと曇ってスッキリしない天気が多めです。」

今お聞きしたのは、あくまでも今までの傾向であって、ひょっとしたら2013年の年始めは違うかもしれない…という淡い期待を抱きながら聞いてみた。

――2013年の年始めのお天気の傾向は?
増田「年末からやってくる年越し寒波の影響で、2013年の元日は、冬型の気圧配置となり、全国的に厳しい寒さになります。日本海側では広い範囲で、雪が降りそうですね。太平洋側は晴れる所が多くなりますが、寒気が強いため、雲が広がったり、雪の降る所も一部で出てきます。過去10年の元旦の晴天率は、東京が80%あるのに対して、大阪は40%、札幌・福岡は30%と、日本海側の地域ほど低くなっていますが、13年の元旦も同様の傾向になりそうですね。なお、大晦日から正月三が日は、日本海側や北日本で、大雪や吹雪になる恐れがあり、車の運転や交通機関の乱れに注意が必要です」

一言でまとめると、「寒い」ということだ。
淡い期待は早くも砕け散った…。

この冬がいかに寒いかというと、低温や大雪にまつわる情報が毎週のように発表されていて、雪が多かった平成18年の冬の気圧配置に似ているという。そのため、引き続き警戒が必要なのだそうだ。

――冬が寒いと、その年の夏は冷夏になる…というような傾向はありますか?
佐藤さん「それが、傾向が読めないんです。1993年、2003年と10年おきに冷夏になっているというデータ等はありますが…。猛暑も問題ですが、ただ冷夏だと、深刻なコメ不足になる可能性もありますので、あまりにも気温が上がらないと困ったことになりますね」
増田さん「『不順の夏・5年の法則』とも言えるような周期があって、1993、1998年、2003年、2008年といったように、5年ごとに天候が不順になる傾向があります。例えば、2008年は局地的な豪雨が多発し、流行語に「ゲリラ豪雨」が入った年でした。冷夏ではなくても、天候の不安定な日が続く可能性があります」

夏のことまでは分からないが、年始が寒いということはよく分かった。
ところで、休みといえば、気象予報士の皆さんは休日は何をしているのだろうか?謎に包まれた部分を聞いてみた。

●正月休みにおすすめ!?「アメダス詣で」

増田さん「気象予報士は、全国のアメダス(地域気象観測システム)を見に行く人が多いです」
――アメダスを見に行くんですか!?
佐藤さん「アメダスを見に行って、アメダスの記念写真を撮って『こういう場所にあったのか〜』と感激するんです。なんだか、有名人に会った時のような気持ちになります(笑)。ちなみに、僕もアメダスの写真を何枚か撮ってます。実は、有名なアメダスというのが何箇所かあって、例えば、国内屈指の積雪量となる酸ケ湯(青森県)や、寒さなら旭川、陸別、歌登(うたのぼり)(共に北海道)、暑いところでしたら多治見(岐阜県)や熊谷(埼玉)などです。実際に行って、機器を確かめることで、まわりがどんな環境なのかが実感できるんです。酸ケ湯であれば、積雪量を測る測器が高いところに設置してあるので、『あんなに高いところまで雪が積もるのか』って」
増田さん「僕も、とっておきのアメダスの写真がありますよ!!」※写真参照

気象予報士の中には、アメダスを見て「あのアメダス、かっこいい〜」と感激して、ブログにアメダスの写真を載せている人もいるそうだ。

増田さん「皆さんも正月休みは、アメダスを見に行く『アメダス詣で』をしてみてはいかがでしょう?もし、アメダスを見に行って、同じように見に行ってる人がいたとしたら、その人は間違いなく気象予報士だと思います(笑)。アメダスは全国に約1300箇所ありますので、お近くのアメダスを観察しに行ってみてください。ただし、中には、雪が深いところにあるものもあって、行くのは危険なので、春になったら行ってみてくださいね」

アメダスを見に行くのは、なんともマニアックな趣味だが、気象予報士の森朗さん(TBS「ひるおび」等でおなじみ)は天気の境目を見に行くのが好きなのだそうだ。そう言われると、雪国と雪国ではないところの境目など、見てみたい気もする…。

ちなみに、年末年始のお天気をより細かく知りたいという方のために、個別のお天気相談サービス(※有料)を実施している。プロフィールを見て指名することができるため、天体観測が趣味の佐藤さんに、星の観測や撮影に適した日付と場所の相談や、スノーボードが趣味の増田さんに、雪山にまつわる相談をすることも可能。初日の出にまつわるお天気の相談に関しては、12月31日の24時までは受け付けているそうだ。海外のお天気にまつわる相談も大丈夫とのことなので、よかったらぜひ。

そうはいっても、やっぱり寒いし、外に出るのは億劫だという方は元日の朝6時から「森田さんの初日の出大賞!」(TBSテレビ)で初日の出が拝める。日本各地から、初日の出の様子を生中継して、「どの初日の出の様子が一番良かったか」(←太陽は一つだけど)を決めるという、斬新な企画。以前「エキサイトニュースBit」で紹介した「プロレス天気予報」の元井美貴さんも出演。さすがに番組では「プロレス天気予報」は見られないと思うが、個人的には見てみたい。(やきそばかおる)


ウェザーマップ(佐藤さんと増田さんが所属)
http://www.weathermap.co.jp/(お天気の相談はこちらまで)
http://consult.weathermap.co.jp/