何はともあれまずはペンを手に取る所から。

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パソコンに慣れすぎて、アナログで字を書くことが少なくなった。そんな人に憂鬱な時期がやってきた。年賀状の季節である。

パソコンで制作してもいいが、せっかく年に一度のことだからと手書きで作る人も多い年賀状。しかし、そこで多くの人が自分の悪筆に悩まされるという。

もともと字を書くのが得意ではなかった人はもちろん、昔は得意だったという人も要注意。パソコンに頼り切りで、アナログで字を書いていない期間が増えてきた。久々に字を書いてみたら壊滅状態。という人も多い。そんな人が注目する教室がある。
それは硬筆やペン字教室だ。

子供の手習い教室、もしくはお年寄りのサークル的イメージが強い硬筆・ペン習字だが、最近は年代を問わず受講生が増えているそう。ペンを中心に筆記用具を販売しているPILOTさんが、ペン習字通信講座を実施している。そこでお話を伺ってみると……。
「講座を利用される年代ですが、50代〜60代の方が多いです。しかし近年は20代後半から30代の若い方が増えてきました」

しかしペン字をはじめて、本当に字は綺麗になるのだろうか。どれくらいで綺麗な字を書けるようになるか伺うと、
「こればかりはご本人次第なので、なんとも申し上げられません。当講座は1年間で硬筆書写検定3級合格を目指すカリキュラムになっておりますが、早い方は1年が終わる前に嬉しい報告をいただく事もございます」
毎日10分でもテキストを開いてペンを取りこつこつ練習を続けていけば、半年もあればお手本の書きぶりに近づいて行くのではないか、という。
つまりは書こうという気力。そして毎日の鍛錬がものをいう。

しかし今からでは急ぐ間にあわない。そこでペン字の講師の方に、今からでも間に合う文字の書き方を伺ってみた。
綺麗な字を書くにあたって、最も気をつけ無ければいけないのは「文字の中心を揃えることです」という。

さらに、
 ・文字と文字の空き、線と線の間は全て等間隔になるよう心がける。
 ・横線は少し右上がりになるように。
 ・はねの角度は約90度になるようにする。

上記を心がけつつ、丁寧に気持ちを落ち着かせて書けば「文字は汚くなりようがない」そうだ。

パソコンを使った場合、頭で考えた言葉をすぐに打ち込んで文字にすることができる。しかし手で書くと、もちろん文字の方が遅い。早く言葉を書き込もうとしてついつい急いで書いてしまう。それも文字が崩れる原因だ。落ち着いてゆっくり書くことが肝心。

どうしても線がぶれてしまう人は、紙に縦棒と横棒をひたすら書き続ける練習がおすすめだとか。
たかが線というがこれがなかなか難しい。スッと美しい線が引けるようになると字の雰囲気もぐっと変わってくるそうだ。

年に一度の年賀状。
締め切りまではまだちょっとだけ時間がある。せっかくだから字の練習などをして、びしっときれいな字でお届けしてみませんか。
(のなかなおみ)