11月29日に行われる予定だった韓国の衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)」号の打ち上げが再び延期となった。中国メディアの環球時報は1日、「打ち上げ延期は韓国人を大いに失望させており、韓国にとって宇宙開発の夢がますます遠くなりつつある」と報じた。

 韓国はナロ号の開発に10年以上に歳月を費やしており、その間に2度の打ち上げ失敗、数え切れないほどの打ち上げ延期を経験してきた。韓国がロケット開発にこだわる理由について、記事は3つの理由を挙げた。

 1つ目は宇宙開発における先進国の仲間入りを果たし、国際的な地位を向上させるため、2つ目はロケット技術が軍事技術に応用できるため、3つ目は宇宙産業に進出することで大きな経済効果を期待できるためだ。

 しかし、韓国の同盟国である米国は、ロケットの打ち上げ成功を必ずしも望んでいない。成功が北朝鮮を刺激することにつながりかねないからだ。韓国のロケット開発を援助し続けてきたロシアでさえ、朝鮮半島の情勢悪化に配慮して、韓国側に限られた技術しか提供していない。

 ただ専門家は、北朝鮮が10日―22日の間に打ち上げると宣言した長距離弾道ミサイルの発射が成功し、そのうえで韓国のロケット打ち上げが失敗に終われば、朝鮮半島により大きな緊張をもたらしかねないと懸念を示し、「もしもナロ号が打ち上げ失敗となれば、大統領選挙に悪い影響を与えることになるかもしれない」と述べた。(編集担当:及川源十郎)