ヘルシーさとボリュームを兼ね備えたメニューが人気だ

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東京オペラシティなど大きなオフィスビルには、そこで働く人たちが共用する「社員食堂」を設けているところがある。サンシャイン60(東京・池袋)の6階にある「Sun's キッチン」も、そんな食堂のひとつだ。

今年9月にリニューアル。席数は320で、1日700〜800人が利用する。内装は白とオレンジを基調としたポップな印象で、ランチタイムには女性の姿も多く見られた。昼間は喫茶室、夜は居酒屋となり、テナント従業員の歓送迎会にも使われることもあるという。


600キロカロリー以下の「ヘルシーセット」が人気


人気メニューは、600キロカロリー以下のヘルシーセット。日替わりのメインに小鉢などを組み合わせてあり、ダイエット中の人にもぴったりだ。数多くあるメニューの中で、注文の約2割を占めている。取材した日は「五目あんかけ焼きそばセット」だった。


「ヘルシーというと、どこか味気ないメニューというイメージもありますが、からだによくて、かつ美味しく健康的なメニューを目指しています。緑黄色野菜を多く使うなど、見た目の鮮やかさにも心がけています」(運営会社・エームサービス関東の支配人、大屋雅文さん)

どのメニューも飽きがこないよう1か月サイクルで変え、揚げずにオーブンで焼くなど油分を減らす工夫もしている。


定食メニューは3種類。この日は「ニラと卵の旨塩炒め」や「鮭の唐揚げおろしポン酢」「照り焼きチキンサラダボウル」が用意されていた。どれも単品で300〜450円程度。丼もの以外は、ごはんや小鉢を別途注文する。


日替わりで8種類から選べるデリは、1グラム1.8円で計量する。フルーツも選べるので、ちょっとした箸休めやデザートにもいいだろう。この日は、どんぶりモノの照り焼きチキンサラダボウルとデリをいただいた。


どんぶりは、ごはんの上に赤と黄のパプリカ、ピーマン、水菜、レタスと野菜がたっぷり載っている。チキンと温泉たまごのコラボレーションが濃厚だ。13時以降の入店で無料のスープも、濃い目の味つけとタマネギのとろとろ感がお腹を満たしてくれる。


期間限定の「ご当地ラーメンクエスト」実施中


デリは、8種類すべていただいた。茹で豚のコチュジャンダレ、ポテトフライのカレー風味、野菜のトマト煮、きのこのレモンバジル風味、ベーコンときのこの和風スパゲティー、チキンカツ、フルーツ――。パスタは単品でいただけるおいしさ。トマト煮は「ラタトゥイユ」と言ってもいい本格的な味だった。


会計方法は、食べ終わった皿やお椀をトレイごとオートレジに載せると、自動的に金額が表示される。支払いはSUICAまたはPASMOで行う。


Sun's キッチンには、麺コーナーもある。普段はうどんやそば、10種ほどの天ぷらが提供されている。どんぶりを食べたあとにもかかわらず、その日限定の「四川担々麺」に引かれいただいてしまった。クリーミーなスープはコクがあり、あと引く辛さが印象的だ。


麺コーナーでは不定期でイベントも行われている。11月7日〜12月28日まで水・金曜日限定で実施の「ご当地ラーメンクエスト」もそのひとつ。からみそラーメン(山形)、中華そば(和歌山)、尾道ラーメン(広島)など人気のラーメンが1日130食準備される。


「お客さまのご要望があれば、ラーメン以外のメニューでもイベントを展開していく予定です」と大屋さん。原則としてテナント従業員向けで、一般客も利用できるが大勢で押しかけることは遠慮した方がよさそうだ。(池田園子)