最多セーブ投手、該当者なしに  醜いタイトル争いで

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(台北 2日 中央社)台湾プロ野球の今年の最多セーブ投手は、見苦しいタイトル争いで「該当者なし」になったことが1日、プロ野球リーグ「中華職業棒球大連盟」の発表でわかった。

この異例の事態は、1990年に台湾のプロ野球が始まって以来初めて。

最多セーブ投手のタイトルをめぐり、9月30日のレギュラーシーズン最終戦で醜態を演じたのは、兄弟エレファンツと統一セブンイレブンライオンズの2球団。

試合前、ライオンズのストッパー、林岳平投手(右)はリーグトップの23セーブを記録、2009年以来3年ぶり2度目の受賞が期待されていた。一方、エレファンツの新外国人選手、ブラッド・トーマス(元日本ハムほか)は2位の22セーブをマーク。最終戦でセーブを挙げた場合、林投手より上位の防御率でタイトルを獲得することになっていた。

試合は6回まで0−0のこう着状態が続いていたが、エレファンツは7回に4点を先制した。4−0で迎えた9回、エレファンツの中継ぎ投手、葉詠捷は、チームメートにセーブのチャンスを与えるため四死球を連発。これに対して、相手の意図に気づいたライオンズのピンチヒッター、李育儒は、出塁を避けようと明らかなボールでもバットを振った。

その後、2アウト1、2塁から登板したトーマスは最後のバッターを内野ゴロに打ち取り、23セーブ目を挙げたが、両チームのやり方はあまりにも露骨だったのでファンなどから不満が噴出。

これを受け「中華職業棒球大連盟」は1日、タイトルの受賞者を「該当者なし」とするとともに、「スポーツマンシップに反し、リーグのイメージをひどく傷つけたことをした」としてエレファンツとライオンズの監督、葉投手、李選手の4人に出場停止などの処分を言い渡した。