高速トリビア (15) 一晩で高速道路に巨大な橋を架けることができるのはなぜ?

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高速道路では、供用中の高速道路の上に高速道路を横断するための橋を建設することがあります。

道路と橋が交差するので、工事の際は安全確保のために通行止めを行いますが、影響を最小限にするため、過去の交通量などから工事を実施する曜日や時間を想定するほか、工事の方法も工夫しています。

大型クレーンは架設工事の一般的な方法として、多くの現場で採用されています。

クレーンで橋桁を吊り下げて、一晩で橋を架設します。

クレーンのアームの長さは最大で約100m、吊り下げ能力は1000tを超えます。

1000tと言われてもピンとこないという方のために、参考までにジャンボジェットの愛称で呼ばれる大型旅客機「ボーイング747」の重量は約180tです。

ちなみにこのボーイング747、2005年にエアバスA380が登場するまで、世界最大の旅客機でした。

大型クレーンの力がいかに強いか分かります。

大型多軸台車は、橋桁の組立場所から架設地点まで車体が移動できる平坦なヤードがある場合に採用されます。

現地で橋桁をあらかじめ組み立て、大型多軸車を使って運搬し、一晩で橋を架設します。

大型多軸車の大きさは全長約10m、軸の数は一般的には6軸程度です。

幅は3m以上あり、橋の大きさによっては2台の台車を使って運搬します。

大型クレーンや大型多軸台車が実際に稼働する姿を見ることができる、見学会やツアーが各地で行われています。

NEXCO東日本では関越道での工事が予定されており、一般の方向けの見学スペースを設ける場合があります。

深夜の工事にもかかわらず、多くの参加者が訪れるそうです。

事前に調整ができれば、施工ヤード内からの撮影も可能です。

詳しい工事の予定につきましてはNEXCO東日本までお問い合わせください。

NEXCO中日本ではオリジナルバスツアーを実施しています。

開通前の高速道路や工事現場の見学を企画していて、その都度NEXCO中日本のサイトに情報が掲載されますのでチェックしてみて下さい。

NEXCO西日本でも同様に工事現場の見学会や、毎年夏休みには親子見学会を実施しています。

こちらもNEXCO西日本サイトをチェックして下さい。

大きな橋が目の前で出来上がっていく様子は、土木の専門家でなくてもワクワクする光景です。

お気軽に参加してみてはいかかでしょう?