絵画でわかる『平家物語』!根津美術館の「コレクション展 平家物語画帖」

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“祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・”で始まる『平家物語』は、平家一門の栄光と衰退を伝える軍記物語。その平家の栄華を築いたのが、今年の大河ドラマの主役・平清盛であることは、ご存知の通り。大河ドラマで描かれている、ライバル源氏との戦いはハラハラするし、舞台である平安時代末期をリアルに描いていることでも話題だけど、清盛をめぐる人物関係や時代背景はとっても複雑。物語もおもしろいし、俳優さんたちの熱演はとっても見ごたえあるけど、難解な人間関係に混乱してしまうことも。もっと平清盛や『平家物語』に関する知識があれば、大河ドラマを楽しめそうだけど・・・。

それならば、表参道にある根津美術館で、9月8日(土)から10月21日(日)まで開催されるコレクション展「平家物語画帖 ―諸行無常のミニアチュール―」に出かけてみて!
根津美術館の所蔵する「平家物語画帖」は、『平家物語』を120枚の扇形の紙に絵画化して張り込んだ絵画のこと。江戸時代の17世紀から18世紀にかけて制作されたもののひとつだが、物語の本文を抜粋した詞書(ことばがき)に120段もの扇面画が揃うのはほかに例がなく、しかも広げると絵巻物のように鑑賞できるんだとか。展覧会はその全場面を鑑賞できる、またとない機会となる(前・後期で展示替えあり)。あわせて「源平合戦屏風絵」や「曽我物語図屏風」、『平家物語』を題材にした肉筆浮世絵や刀装具など、関連作品約10件も展示され、より平家についての知識が増えそう。

「平家物語画帖」に描かれているのは、いずれも『平家物語』の名場面ばかり。例えば平家一門の栄光を予知する「鱸(すずき)の事」や、平家が滅亡した壇ノ浦の戦いを描いた「先帝御入水の事」など、名シーンが細かく描写されている。もちろん、各絵に解説がつくから、じっくりと『平家物語』の世界に浸ってみて。

この展示を見た後なら、大河ドラマに関する知識が増えるはずだから、スッキリ視聴できそう。一家団欒で大河ドラマを鑑賞中に、場面解説すれば、家族から見直されるちゃうかも? 歴史好きな彼もきっと喜んでくれるはずだから、デートに誘ってみるのもおすすめ。『平家物語』の魅力を楽しめる、貴重な機会だからぜひ訪れてみて。