マンチェスター・ユナイテッドのFWウェイン・ルーニーが、今年の夏に3万ポンド(約360万円)を払って頭頂部の植毛治療を受けたのは有名な話だ。

後退するフロントラインのせいで実年齢以上にずっと老け込んで見えるため、かねてからチームメイトより散々バカにされていたルーニー。「25歳で禿げたくない!」と一念発起して、ドナーエリアと呼ばれる髪の毛の多い箇所(通常は後頭)から頭頂部や生え際など禿げた箇所へ髪の毛を移植する手術を受けたことをツイッターでカミングアウトし、脚光を浴びたのは記憶に新しい。

だが、ご自慢だったはずの頭頂部及び生え際が著しく薄くなっていることがバレて、大々的に報じられてしまった。実際にルーニー自身も今月初めに白髪化した髪を発見して「植毛が十分に機能しなかったのかもしれない」と心配、カラーリングを施していたという。

期待されていた効果が十分得られなかったためにクリニックへ払戻しを請求か、とマスコミは報じているが、ロンドンで有名な名医街ハーレーストリートにあるヘアクリニックの専門家は「6〜12か月間で植毛の効果をフルに判断するのは不可能。植毛の全プロセスが植物や低木を植え替えるのと似ており、毛根がしっかりと根付くまで毛先の成長は良かったり悪かったりと不統一で抜け毛や毛髪変色(白髪化)といった影響を及ぼすことがある。このような症状が出るのはよくあることで、生え際が強くて健康な髪で覆われるという最終的成果に影響を与えることはない」と主張、毛髪変色が起こるのはいたって普通で、場合によってはそれが数ヶ月間続くことがあると説明する。

ちなみに、ルーニーがドナーエリアから頭頂部やフロントラインへ髪の毛を移植したのが今年6月上旬。専門家の話では手術が失敗だったと結論付けるのは早計ということになるのだが……。ルーニーは7日にスイスで行われるCLグループリーグ最終節のバーゼル戦に出場予定だが、プレーに加えてヘアースタイルに注目が集まるのは避けられそうにない。

【鷲津正美/ Masami Washizu】