キャリアアップを始める前に考えておきたいこと

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 転職したら収入も増えて、やりたい仕事ができる。そんな風にして、キャリアアップを目論でいる人は多いのではないだろうか。
 しかし転職すれば、キャリアアップできたといえるのだろうか? そもそも「キャリア」という言葉は、自分が歩いてきた轍という意味で、そもそもアップもダウンもないのではないか?

 『「キャリアアップ」のバカヤロー』(常見陽平/著、講談社/刊)は、「今のままでいいのか?」と悩み、転職をしてキャリアアップを考える真面目な人、自己啓発本やビジネス書を読み漁ったり、異業種交流会に参加して安易なキャリアアップを目指す人に、一旦ストップをかける。

 本書の中に「仕事のことを熱く語れないオトナはダサい。自己啓発も異業種交流会も結構だが、まずは仕事にマジでとり組もう。それがすべての最短コースである」(p186)という一節がある。
 もちろん、自己啓発書や異業種交流会は楽しいし、プライベートの時間も大切だ。仕事ばかりしていては考えも硬直してしまい、新しいものは生まれない。でも、仕事をおざなりにするのは一番良くないことだろう。

 それは常見さん自身の経験に裏打ちされた言葉だ。現在は人材コンサルタントとして活躍中の常見さんだが、本書ではリクルートから玩具メーカーの新卒採用担当を経てベンチャー企業へと渡り歩いた自身の“キャリアアップ漂流記”が語られている。
 常見さんの成功と失敗は、今の自分の仕事を全力ですることが一番大切であるということを教えてくれる。

 今の自分はどれだけ仕事をこなせているのか、どれだけ成果を生み出せているのか。このことをしっかり考えてみてから、自分のキャリアについて考えてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部/田中規裕)



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