今季初戦となった浦田聖子(左)と西堀健実(右)。今年の水着は「クイン・ビー(女王蜂)」。ロンドン五輪に向かい、「蜂の針のように刺します!」「ん?」「じゃなくて、蝶のように舞い、蜂のように刺します(笑)」

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 ビーチバレー国内ツアー第2戦大日本印章オープンは12日、あいにくの雨の中、久屋大通公園(名古屋市)にて開幕した。会場は名古屋の中心部、栄地区に位置し、百貨店や高級ブランド店が立ち並ぶ繁華街。そのビルの谷間に砂を持ち込み、ビーチバレーコートが設営されている。周りの百貨店の窓からも買い物客などが眺める中、男女1回戦8試合が行われた。

 右足首ねんざのため今大会が初戦となった浦田聖子・西堀健実組(フリー)が、女子第1試合に登場。浦田は、足首にいまだテーピングをしてのプレイだが、ツアー第1戦の覇者、金田洋世・村上めぐみ組(上越マリンブリーズ)を序盤から圧倒。雨を含み重くなった砂に、持ち前の走って拾うバレーができない金田組に対し、サーブで前後左右に揺さぶり、終始試合をリード。「120%の力を出せた」(西堀)とストレートで下した。

 男子1回戦の注目カードは、白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)・今井啓介(フリー)組対、朝日健太郎・青木晋平組(フリー)。昨年まで5年半、コンビを組み、日本のビーチバレーを牽引してきた白鳥と朝日がネットを挟んで対決。コンビ解消後も、ともにロンドン五輪へ向け強化指定選手に選出され、新チームを結成。世界を見据えたチーム作りへスタートを切ったところである。

 チーム熟成の段階とはいえ、結果も必要。「互いに知り尽くしている」(朝日)相手へ探りながらのプレイが続く。身長の低い青木ではなく、朝日へボールを集めレシーブを崩す作戦に出た白鳥に対し、朝日は、サーブで徹底的にビーチバレー歴の浅い今井を狙う。第1、2セットとも内容は拮抗していたが、白鳥に攻撃させない作戦が功を奏し、ストレートで朝日・青木組が2回戦に進出した。朝日は「新しいチームなので良い面、悪い面があるが、今日はうまくかみあった」と話した。

結果は次の通り。
□女子1回戦
金田・村上 0 (12-21,17-21) 2 浦田・西堀
浅尾・松山 0 (19-21,17-21) 2 山田・幅口
保立・宮川 0 (20-22,15-21) 2 浦田・駒田
草野・石田 0 (16-21,16-21) 2 田中・溝江

□男子1回戦
井上・長谷川 2 (21-11,21-15) 0 畑・牛尾
中川・吉田 0 (13-21,18-21) 2 長谷川・畑辺
白鳥・今井 0 (19-21,16-21) 2 朝日・青木
仲矢・日高 0 (16-21,19-21) 2 西村・Casey

■けがから復帰、今季初戦の浦田聖子
元気に砂の上に戻ることができ、嬉しい。パートナーにも迷惑をかけ、試合に出られず悔しい思いをした。トレーニング、体づくりを中心とした1ヶ月のブラジル合宿が自信になっている。

■ストレート負けの浅尾美和・松山紘子
課題である出だしが悪かった。気持ちの持ち方をもっと考えなくてはいけない。攻め切れておらず、守りに入っていた。1本ずつしっかりやっていけばいいと思う。もう、本当に悔しいので、明日は勝ちます!

■石田アンジェラとの急造ペアで出場、草野歩(フリー)
本来のパートナーのけが(尾崎睦、右膝靱帯断裂)で、どうしていいかわからなかった。今大会だけ、それも2日しか練習できなかったが、アンジェラには感謝の気持ちでいっぱいです。今後は大会が終わってから考えます。やるなら尾崎とやりたいし、中途半端な気持ちでしたくないので。

■長年の相棒、白鳥を倒した朝日健太郎
うまくかみあった結果。第1戦(5位)を踏まえ、何かを変えて試合に臨めた。チームを組んで日が浅いので試合をしながらウィークポイントを洗い出していきたい。白鳥のスパイクに久しぶりにブロックに跳んだが、どこへ打ってくるかわからないですね。楽しかった。

(取材・文=小崎仁久)