文科省からの自粛要請を受け、セ・リーグは開幕日の延期を中心とする代替案を発表しました。
しかし、内容を吟味してみると矛盾だらけ。
そしてその中でも、どうしても納得できないものがあります。
それが、「今季の延長戦廃止」です。

突き詰めると、今の世論と文科省の要請は「原発危機と電力問題が解決するまでは東京電力と東北電力管轄内でナイターをやるな」です。
したがって、減灯ナイターやデイゲームへの切り替えは大いに意味があることでしょう。
諸事情が好転してくれば元に戻せば良いのですから。
しかし、延長戦廃止は全くの別物です。
これはルールの変更であり、野球というスポーツの本質に関わる問題です。
球場内コンコースの照明を落とすというような運営上のこととは訳が違います。
今の日本は非常事態下にありますが、国民全員が力を合わせることにより、必ずや電力事情が改善され、普通にナイターが開催できる日が今季中に来ると私は信じています。
なのに、開幕前から今季全試合での延長戦廃止を決めるなんて。

セ・リーグの発表によると、延長戦廃止を含む一連の省電力策でナイターの消費電力は40%減らせるとのことですが、そもそも40%という数値に何の意味があるのか?
仮に大きな意味があるなら、他に打つ手は無いのか?
延長戦廃止は中部以西の球場や屋外球場でのデイゲームにも適用されることになるにも関わらず。
本来の目的は電力の節約。
それなら、屋外球場での開催やデイゲームの増加に数値目標を設定するほうが遥かに効果があると思います。

[追記]
セ・リーグの当初予定の3月25日のナイターでの開幕が、開幕は29日でナイターは4月5日からという変則日程になったことに違和感を感じた方も多かったと思います。
疑問は当初の日程表をチェックすると氷解します。
これなら、巨人は東京ドームでの主催ゲームをデイゲームに変更する必要がないのです。
流した3月25日からの3連戦は、どこかに組み入れれば良いこと。
結局、ナイターをデイゲームに変更するという「機会損失」は巨人は皆無となるよう設定されているのです。

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