フランスが17日にイングランドと親善試合を行ない、今年の最終戦を2―1の勝利で飾った。かつてない激動の年となったフランス代表の2010年を振り返ってみよう。

 3月3日のスペイン戦で今年のスタートを切ったフランス。手も足も出せずに0―2と完敗し、結果的にこのショックを後々まで引きずることとなる。

 次戦はすでにW杯直前。強化試合初戦のコスタリカ戦には勝ったものの、その後はチュニジアを相手に引き分け、中国にまさかの敗戦と振るわず、自信を取り戻せぬままW杯開幕を迎えてしまった。その結果、大会では1勝もあげられず(2敗1引き分け)敗退した。

 チームの空中分解を引き起こして去ったレイモン・ドメネク前監督の後を受けて就任したローラン・ブラン監督は2連敗と苦しいスタート。W杯開催中の練習ボイコットを招いたメンバーの出場停止(初戦は23人全員)という異例の事態があったために仕方なかったが、再建がむずかしいことを予期させた。

 しかしその後はこのイングランド戦を含めて4連勝。年が明けるのを待たずにチームの軌道修正に成功したと言える。加えて4試合とも2点勝ち。長年の得点力不足という悩みも解消しつつある。

 それでも2010年の年間成績は、ドメネク前監督時代の“負債”(1勝4敗2引き分け)が響いて5勝6敗2引き分け。1987年以来23年ぶりの負け越しとなった。

 2011年の初戦(2月9日)はブラジルを相手に迎える。イングランドにつづく強豪との対戦で手応えをより確かなものにし、佳境に入るユーロ2012予選に向けて勢いをつけたいところだ。