フランスのW杯敗退とともにメディアへの登場を拒みつづけてきたレイモン・ドメネク前代表監督が9日、およそ5ヶ月ぶりに公に姿を現した。

 フランスサッカー連盟(FFF)からの解雇を不服として、290万ユーロ(約3億2800万円)の支払いを要求する提訴を行なったタイミングであるだけに、その釈明に現れたのかと思いきや、これが違う。

 サッカークラブのスポンサーにもなっている大手ブックメーカーサイトのコマーシャルに“主演”しているのだ。このサイトは今月末にオンラインポーカーのトーナメント開催を予定しており、その趣旨は「レイモン・ドメネクに挑戦」というもの。ドメネク氏に勝った優勝者には、何と南アフリカへの豪華ツアーがプレゼントされるというのだから、W杯でのフランス代表の失敗を逆手にとったユニークな企画だ。

 コマーシャル・クリップは、大会で敗れたドメネク氏がスタジアムを去るシーンからはじまる。失意のドメネク氏はアジアのある島へとポーカーの達人を訪ねて弟子入りを志願し、厳しい訓練を経て一流のプレーヤーへと成長を遂げる、というものでカンフー映画のパロディーのような作りになっている。レキップ紙によると、撮影はタイでのロケを含めて2週間前に行なわれた。

 ちなみにドメネク氏は以前からポーカーの熱心なファンとして知られていた。また演劇が趣味で、素人の劇団に所属していたのも有名。ポーカーの手つきや芝居が堂に入っていても不思議はないわけだ。