先週末に行なわれたリーグ・アン第12節の目玉は、フランス版クラシコと呼ばれるパリ・サンジェルマン(PSG)対マルセイユの一戦。ここ最近は強豪復活を遂げたマルセイユが、不振のつづくPSGを圧倒しており、クラシコと称するにはふさわしくない力の差が目立ったが、この試合はPSGがホームで6年ぶりに一矢を報いた。

 キックオフから20分で2点をあげて試合の主導権を握ったPSG。コンビネーションが機能しないと批判された2トップのエルディン、オアロがそれぞれゴールする理想的な内容で、マルセイユを抜いて3位へと順位をあげた(ただし4位マルセイユと2位レンヌは1試合未消化)。

 両チームの順位で見てもようやく堂々のライバル対決となった感があるが、やはり今回もピッチ外の騒動に関心が高まった仏版クラシコ。宿敵マルセイユを迎えるパルク・デ・プランス(PSGホーム)の過熱を恐れて、パリ警視庁はビジター側スタンドの閉鎖を早々に決めていた。

 その緊迫も手伝って、カナルプリュス(ペイテレビ)の中継は291万人が視聴し、同局史上3位の高視聴率となる11.6%(他局とのシェア比)を記録。数字上でも今シーズンもっとも注目を集めた一戦となった。レキップ紙が8日に報じている。

 一方で納得がいかないのはマルセイユのサポーターだ。地元紙ラ・プロヴァンスによると、パリでの措置に抗議するため、10日にマルセイユの本拠地ヴェロドロームで行なわれるリール戦(リーグ杯)では、観戦ボイコットを敢行する構えだ。リーグ杯は国営フランス2局が中継を担当するため、地上波のプライムタイムのサッカー中継で、観客席のほぼ半分が空席という異様な状況が全国のお茶の間に伝わることになる。