東南アジア諸国連合(ASEAN)会議出席のためにベトナムを訪問した菅直人・温家宝首相の会談を拒否したことについて、中国政府・外交部の胡正躍部長補佐は29日、「日本側はASEANの会議期間中に、中国の主権の領土の完備性を侵犯する発言を、メディアを通じてまき散らし、両国の首脳が意思疎通をする雰囲気をぶち壊した。その結果は日本側がすべて責任を負わねばならない」と述べた。

 胡部長補佐は「だれもが知っているように、中国側は一貫して、日本と交した4つの政治文書を土台に、両国関係の維持と推進に努めてきた。ところが事実は、日本側はASEANの会議期間中、メディアを通じて、中国の主権と領土の完備性を侵犯する発言を、まき散らしつづけた。日本の外交責任者は、釣魚島(尖閣諸島)の問題を、あおりたてた」と主張。

 日中外相会談の際に、中国の楊潔〓外相が、釣魚島(尖閣諸島)の問題で「古来から中国固有の領土」と強調したことについても、日本側は事実と異なる内容を散布したと主張。さらに、両国の東シナ海の問題についての共通認識を歪曲(わいきょく)したと、日本を非難。日本の考え方は「だれの目にも明らか」で、日本は「両国首脳がハノイで会談する雰囲気をぶち壊した。その結果、発生した責任は日本側が、完全に負わねばならない」と主張した。(チは竹かんむりに厂(がんだれ)、下に「虎」)

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◆解説◆ 胡正躍部長補佐の日本非難は、相当に極端だ。対日外交の先鋭化は、中国内部の「さまざまな対立」が反映されている可能性もある。(編集担当:如月隼人)



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